福岡にて

2007/04/17, 18:24 | 固定リンク

4月17日 火曜日 曇り 

 関門橋を越えて九州に帰った。魚とゴマ鯖を喰った。嗚呼、九州の味。思い切り飲みたかったけど、魚に止められた。俺も少しだけ大人になった。ライヴの前に墓参りに行った。心が落ち着いた。この街で随分前に音楽を始めた頃、こんなトシになるまで、自分が生きていることを想像したことがなかった。何故ならロッカーは20代で死ぬものだと思っていたし、実際のところそんな生き方をしていたからだ。でも幸か不幸か、俺も圭一も生き残った。人生は大変なことだらけだけど、音楽は素晴らしい。何度でも書くけど、それには力がある。俺は音楽をやって、それに励まされ、愉しそうに俺たちを観ている客席を観て、幸福になる。あなたたちのその顔が俺を励ましてくれる。今回のツアーほど、客席のあちこちで泣いている人を観たことがない。みんな、それぞれに大変なんだな。たまに泣いてるのに笑ってる人がいる。思い切り泣いて笑って、叫んで踊ってくれ。ここは君たちが働いたお金で来てくれた自由の国だ。音楽、ありがとう。これがなかったら、俺はただのクズだ。
 打ち上げは二カ所で行われていた。俺はそこをはしごした。とある店では友人の結婚パーティーが仕込まれていた。MCは俺しかいなかった。俺にその才能がないのはライヴ観てたら、分かるだろ?結局歌うことしかできなくて、何故か隣で渡辺圭一が三線を弾いていた。史上最低の三線だったが、あんなに笑いの取れる演奏は聞いたことがない。ははは。
 タクシードライバーから長崎市長が刺されたと云うニュースを聞いた。気持ちが沈んだ。何故だ?何故人は殺められなければいけないのか?でも、これが日々で人生でこの国だ。じゃぁ、自分にできることをやろう。それをやり続けよう。そんな力を客席からもらったんだ。来てくれてありがとう。また、何処かの空の下で。 

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by 山口 洋