本来あるべき姿

2007/07/31, 23:25 | 固定リンク

7月31日 火曜日 晴れ 

 とある音楽業界の人々と酒を酌み交わして、かなりぐわんぐわんに地面が揺れてはいます。
 音楽業界はかつてない、黒船襲来(面倒臭いので、詳細は割愛します)を受けて、揺れに揺れております。だから、何じゃい、と俺は思うのです。俺たちは伝えたいことがあるから、ステージに立っているだけで、それがないのであれば、やらないだけのことです。ただ、それだけです。音楽業界始まって以来の、彼等が戦々恐々としている現状はまさに音楽業界が長い間かけて、作り出した現実なのであって、今は本来あるべき姿に戻っている時期だとも云えるのです。それでも音楽には無限の可能性がある。だから、やり続けることでしかないのです。「land of music」をあのような形で作ったのは、作品にまつわるもろもろの権利を自分たちで有していれば、永遠に「廃盤」の憂き目には遭わないからです。自分たちが「廃盤」にしない限り。そんな意味で、本日「日々なる直感」と云う作品がその危機に面していることを聞きました。実質的な「廃盤」でなかったとしても、メーカーの在庫が尽きた時点で、そこから先どうするかを決めるのは彼等であって、我々ではないのです。嗚呼、面倒臭い。それにあたって、我々もそのシステムに於ける利点(例えば、ツアーの赤字を補填してもらうとか)を享受していたと云う意味に於いては共犯者でもあるのです。手許にわずかな「日々なる直感」があります。それが現時点における最後の在庫です。なので、欲しい人は出来るだけ早めにゲットして下さい。あのアルバムにはベスト盤に収録できなかった、思い入れのある曲が沢山入っています。このような事を踏まえて、我々は出来るだけ自分たちの権利を己でコントロールできるように活動を続けていきます。前述の「本来あるべき姿」とは、そんなに難しいことではないと考えています。勇気とイマジネーションとわずかなマネー、大事なのはただそれだけの事だと思っています。週末から北陸を廻ります。みなさんに会えるのを楽しみにしています。

by 山口 洋