至福の移動日

2007/09/14, 23:40 | 固定リンク

9月14日 金曜日 晴れ 

 古都奈良の時間の流れにもすっかり慣れた。焦らず、たゆまず。午前中に公約通り、昨日の会場、蔵武Dに併設されている「暖暖(のんのん)」に茶粥を頂きに参上した。俺はグルメでも何でもなくて、油っこいものが苦手で、大トロにも霜降りの牛肉にもフランス料理にもあまり胸躍らない。心のこもったシンプルなもの、例えば、白いご飯と味噌汁と卵焼きと納豆があれば、一生それだけでもいいっちゅーつまらん男である。
 そんな意味で、ここ「暖暖(のんのん)」の茶粥は100満点なのであった。生まれて初めて食したのだけれど、餅米を前もって蒸し、それをほうじ茶で炊く。付け出しに高菜とか蓮根とかインゲンとか。シンプルがゆえ、食べるほどに味わいの余白から何かを感じ取る。絶品。第一、お腹に優しい。次に急いで喰う気にはなれない。食べ終わった頃には急激に幸福の睡魔が襲ってくる。独りで切り盛りしてるおかんのホスピタリティーも満点。築180年の建物も、中庭も程よく手入れされ、程よく放置されていて、まるでとっくに失われた祖父母の家でくつろいでいるが如し。あまりの幸福に縁側で昼寝しているところが下の図。奈良に行ったなら、時間の余裕をもって、「暖暖(のんのん)」に行かれたし。

 俺は近江八幡に移動しました。酒遊館、13年振りです。西勝酒造の若旦那が切り盛りしているので、日本酒飲み放題すよ。奈良とは違った意味で古い家並が残っている素晴らしい街です。是非。
 

img07090011_1
by 山口 洋