Monk、文句なし。愛媛県松山市にて。

2007/10/04, 23:06 | 固定リンク

10月4日 木曜日 曇り 

 ういーっす。タラモアデューが全身に廻る。でも書き残しておきたいことがあるので、書きます。前後不覚でも、お許したもれ。

 この24時間、俺の身に起きたことを書きます。でも、これには俺の主観が入ってることをお忘れなく。

 昼。ホテルの掃除のおばさん(多くの場合)がやってくる。俺はホテルの多くの顧客とは違うサイクルで生きているので、そればかりはどうしようもない。俺の仕事は夕方からなのだ。でも大抵、「部屋の掃除どうするんですか?」ちゅー理由で起こされる。今日の担当のお姉さんは多分フィリピン人だった。日本語もあまり通じなかった。だから、英語で話した。でも話してる間に、何だか俺たち、通じ合った。いい時間だった。俺は掃除は必要ないっちゅーことと、タオルだけ換えてっちゅー話をして、またおふとんの国に戻った。
 ところで、このホテルには温泉が付属していた。素晴らしい。それは午後3時から使用可能だった。だから、満喫して、会場に向かった。
 Monkと書いて何と読む?セロニアスだろ、多分。そこは長きに渡って、この街で良質の音楽を提供してきたに違いない。楽器の銘柄を見ただけで、それは分かる。不思議なもので、そこはそんな音がする。無理に頑張っても、ラケンロールな音はしない。郷に入りては郷の音を。最近、俺はそう思う。でも出せなかった。それは俺の不徳の致すところ。まだまだ修行が足りず。長旅の間に充分な引き出しを持っているつもりだったが、まだまだやれることはある。小さな音でもダイナミクスとか、グルーヴとか、出せるだけの可能性がある。それをMonkから教えてもらった。また修行を積んで、帰ってきてヨカですか?あなたたちのホスピタリティーはサイコーでした。ありがとう。

 会場は10024人のオーディエンスが埋め尽くしていた。正直云って、誰も来なかったらどうしよう、と思った。8年前、この街でライヴを観たから、今日来ましたと云うオーディエンスが居た。たった一人だけれど。その時のスタッフSとSも来てくれた。みんなにそれぞれの人生があった。それでいいんだよ、多分。SとSにこうやって会うと、特別な感情がある。なおかつ、8年前、打ち上げの二次会はこの店だったと。うーん。ごめん、全く記憶にない。あの時の客が一人だったとしても、俺は嬉しい。Sは妹みたいで、Sは弟みたいだ。すまんが、こいつら可愛い。来てくれた人、ありがとう。楽しんでくれたかい?

 ホテルに戻る。午前1時。温泉に入る。午後3時に入った温泉と様相はまるで違うものだった。ヒドい状況だった。みんなが、自分が使った椅子を、あるいは洗面器を、元に戻せばいいだけの話だ。でも、本当にヒドかった。地震でも起きたのかよ?明日、朝早く。あのフィリピン人のお姉さんが「仕事」でそれを片付けるのさ。だから、「仕事」なのかもしれん。でもあまりにヒドすぎるだろ?ヒドすぎるだろ?

 俺は哀しくて、嬉しい。人の世はいつもそうなのかもしれん。だから、続けることでしか、ないんだと思う。Monk,文句なし。俺、修行を積んで、また戻ってきてヨカですか?いつの日か、俺、バンドでここに来てヨカですか。しょーもない夢と云うなら、何とでも云ってくれ。でも、たかが、それだけの事が難しいことも、身を持って知っている。でも、ここにある楽器は本物だった。多分、彼等は「本気」と書いて「マジ」だと思う。だから、そんな些細な事が俺を動かすのです。ありがとう、松山。あのフィリピン人のお姉さん、世界の何処かでまた会う気がしてるよ。ありがとう。あんたの笑顔はサイコーだったぜ。松山、また戻ってきます。多謝&再見。

img07100004_1
by 山口 洋