感無量、沖縄県石垣島にて

2007/12/01, 10:56 | 固定リンク

12月1日 土曜日 晴れ 

 今年の6月から約半年をかけて、ほぼ日本全国を廻ってきた「on the road ,again vol.3」。本日、沖縄県石垣島にて、無事最終公演を終えました。多分45本目。とてつもなくでっかい南の国の夜空には沢山の星が輝いていました。「自分の住む街に来てくれて、ありがとう」。その言葉に支えられて、ここに辿り着くことが出来たとです。サポートしてくれた多くの人々、足を運んでくれた人々、本当に、心からありがとう。

 沖縄から飛行機に乗ったとです。石垣島の上空にさしかかったとき、「おおっ」といつもの直感ってやつが閃くのを感じました。こりゃ、俺のヴァイブレーションと合っとる。その感覚は大げさに云えば、アイルランドにNY経由で辿り着いた時と同じやったとです。飛行機を下りる際、機内の清掃をするため乗り込んできたおばさん達の顔に刻まれた皺を観た時、それは確信に変わったとです。こりゃ、何だか知らんがとんでもないわい。多分、長くなる付き合いの第一歩が今始まったんだな、と。
 それからは驚きの連続でした。12月とは思えない陽射し、人々のホスピタリティー、広い空、乾いた風、観た事のない家並、瓦、植物、動物、自然、食べ物、言葉、笑顔、エトセトラ。カルチャーショックと呼ぶにふさわしいものでした。この沖縄シリーズに帯同してくれてる野田君に完全にハメられたと云うか、最後の最後にとんでもないギフトをもらったと云うか。開演前に、ホテルでバイクを借りて、できるだけこの島を感じてみようと、風を受けながら走ったとです。このツアー、しんどい事も山ほどあったけれど、こうやって、自然や人から本当の意味でのギフトがもらえるんだ、と。感無量の想いでした。

 正直なところ、喉はボロボロやったとです。でも素晴らしい店、スケアクロウに充満していたヴァイブレーションにのっかっただけで、無理な負荷をかけることなく、俺は演奏することを心から楽しんでいました。エッジが丸くて、優しい、いい音だったなぁ。今まで、どちらかと云うと、俺は「寒いところ」専門の男だったのです。でも、俄然むくむくと、積乱雲のように、このあたりに興味が湧いてきたとです。都会から流入者が沢山居て、いろいろ問題もあるのだろうけど、このあたりには何かがあるとです。間違いなく。それが何なのか、俺にはまだ分からないけれど、きっとこれからの俺に多大な影響を及ぼしてくれるでしょう。

 もう一回書いていいですか?本当にありがとう。俺は幸福な男です。北から南まで、出会った表情を反芻しながら、これを書いています。明日一日だけオフがあるとです。ちょっとだけ足を伸ばして、八重山を感じに行ってきます。

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by 山口 洋