その言葉

2008/02/06, 17:45 | 固定リンク

2月6日 水曜日 雪 

 殆ど物欲のない俺ではあるが、以前からずっと欲しくて、未だ躊躇しているモノがある。それはとある映画(約50本ほどの)のボックス・セットで、記憶が正しければ15万くらいする。手に入れることが不可能では決してないのだけれど、「自宅で好きなときに、それを観る」よりも、たまたまふらりと訪れた街で、「偶然、その映画がかかっていて」、そこに足を踏み入れることを夢想していたりもする。
 ところで、その映画監督の言葉を偶然、目にしたのだけれど、みなさんにも伝えたいと思う。要約、かつ抜粋した。いわく

 「この国は、高度成長時代に、もっと欲張れ、もっ手に入れろと、欲望を刺激されてきた。物欲を刺激することによって、内需を拡大してきた。それが高度経済成長につながったが、同時にひどく大事なものを失ってしまった。つましく生きている人間どうしのコミュニケーション。駅の改札でも、高速道路の料金でも、なるべく人と顔を合わさないようにと、世の中が変わってしまいつつある。国民は携帯電話料金を年間いくら払っているのか不明だけれど、いったい何割が本当に必要な会話なのだろうか?おそらく95%はどうでもいい会話なのではないだろうか?これまでの深い人間関係が、いまや家庭の中で持てないものだから、おたがい傷つけないないように無難にやっているんだと思う」。云々。
 
 生きてることは「無難」じゃない。ややこしいし、面倒くさい。それでも、云いたくない事も面と向かって云わなきゃならない。新しい事をやろうとすると、必ず反対の意見が出る。それでも、検証しつつ、たまには携帯電話を使いつつ、直感を信じて、前を向いて行くことなんだろうな、と思う。いつだって、肝心なことは目には見えないんだし。

by 山口 洋