確かなLand of music、カフェ・ミルトン再び

2008/03/23, 12:16 | 固定リンク

3月22,23日 土、日曜日 曇り 

 はてさて。リクオと宮城県白石市が誇るLand of music、カフェ・ミルトンにやってきました。何度も書いたけれど、この場所にはポルトガル語を話す音楽の神様が棲んでいます。長い時間をかけて、途方もない情熱と愛に引き寄せられて、その神様は降りてきんしゃったとです。多分。人口3万人、チケットは二日間とも売り切れ。会場に集う老若男女からは暖かいバイブレーション。後は音楽を無理なく奏でるだけです。マスターは発熱をおして3年煮込んだ熟カレーを、ママさんは何度聞いても覚えられない「スジャータ」に良く似た名前のブラジル料理を、もうすぐ旅立つ一粒種君はフライヤーの折り込みを、PAマンはいつも最善の努力を、いつもアルバムを取り扱ってくれるMレコードの店主Hは腎臓結石の激痛をモルヒネで緩和して、その母上76歳は昼間から日本酒を、笑顔を絶やさず手伝ってくれる人々は気配りを絶やさず、「the Rising」を抱いた「山羊(説明すると長くなるので事情は割愛 - ミルトンは山羊抜きに語れんとです)」のお雛様がカウンターから音楽を見守り、そして再会を心待ちにしていたKは入院生活を乗り越えて、エトセトラ。様々な人間たちの想いを乗せて、ライヴは進行していくとです。真ん中に「音楽」と「愛」。書けばこれだけの事だけれど、そんな空間はそうあるものではないのです。二日間かけて、我々はいろんな音楽を演奏しました。さんざん歌って、笑って、吠えて、踊って、何故かメイクされて、食べて、飲んで、祝って、悩んで、話して、エトセトラ。自分の家よりくつろげるってのは、一体どういう事なんだと、苦笑する俺。音楽にはいろんな可能性があります。これだけのエネルギーを受け取ったからには、必ずそれを返しに来ます。ヒートウェイヴにはいろんなバージョンがあるとです。機は熟した、いや、熟するように力を尽くしてくれた、の方が正しいな。愉しみに待っていて下さい。酔っぱらいのリクオ君も、きっといろんなものを受け取っていると思います。彼方の蔵王連峰には雪。そして麓は春の匂いがしたとです。本当にありがとう。帰りたくなかった。

by 山口 洋