匠の技
2008/04/17, 18:10 | 固定リンク
4月17日 木曜日 雨
先日のスターパインズ・カフェのライヴでお亡くなりになった俺の古いギター・アンプ、ampeg VT-40を昨日引き取りに行ってきた。この道の匠の仕事場は、必ずと言っていいほど、ジャンクヤードのような趣を呈している。試奏してみて、びっくり。俺が手に入れた20年以上前と同じ音がする。どこをどう修理したのか、俺にはまったく不明だけれど、このような人物の技が我々を支えているのも事実なのだ。ついでに、このジャンクヤードにあったたくさんのアンプを弾いてみた。俺の機材は古すぎて、あまりにトラブルが多いので、金に糸目はつけず、びびっと来たものがあれば買おうと思っていた。けれど、どれもハイファイすぎて、どうしても好きになれなかった。俺は匠に尋ねてみた。「どーして、昔と同じものが作れないんですか?」と。いわく「文明の進化とともに、パーツのひとつひとつから不純物が取り除かれた。とてもクリーンでピュアなパーツになった。けれど、それが甘くて人間臭いサウンドに繋がるかと言えば、決してそうではない。その曖昧さがあの独特の音を産んでいることは否めないし、今や、その音を出すアンプを作ることは難しい。あなたのアンプはもう引退寸前のご老体だけど、この音がどうしても好きなのであれば、メインテナンスを常に施して、大事に使うしかないと思う」。なるほどね。
俺がメインで使っている二つのアンプには新しいぶっといケーブルが繋がれ、でっかいコンセントが装着され、可能な限りケーブルは上質なものに取り替えられた。ギターもそうなのだけれど、俺はこ奴らをやっぱり一生大事にしようと思うのだ。あのサウンドが好きだし、長い時間をかけてたどり着いた場所だし、決して換えがきかないものだからね。
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