この街がもたらしてくれるもの、広島にて

2008/10/31, 02:03 | 固定リンク

10月31日 金曜日 曇り 。

 昼過ぎに旧知の山口雅美ちゃんがパーソナリティーを努めるFM広島の生番組に出演した。多分、俺は彼女が入社した頃から知っているが、こうやって次第にプロフェッショナルになっていく姿を見ているのはとても嬉しい。

 ヲルガン座は見ての通り、とても変わった空間だ。前に訪れた時は、まだ出来たばかりだった。残念ながら、その料理を口にすることは出来なかったが、ホスピタリティーも音そのものも、空気も、空間も、オーディエンスも、この街にしっかりと根付いていた。明後日は俺的オサルちゃん、タテタカコがやって来るらしい。前述の雅美じゃないのだが、こうやって、すくすくと育っていくのを見ていられるのがとても幸福だ。

 ラジオに出演する前、交差点でインド人の青年に会った。彼は何かを探しているいい目をしていた。周囲には感じのいいおばちゃんもたくさん居たのに、彼は俺に話しかけてきた。聞けば、旅館を探しているのだと。おっけー、分かった。一緒に探そう。果たして、その旅館の看板は漢字で記されていた。どうりで彼がたどり着けないはずだ。道中「どうしてインドから来たんだい?」と聞いたなら、「仕事に就く前に、どうしてもヒロシマを自分の目で見なければ」と。何だか、とてもいい出会いだった。「have fun」。ライヴに招待すれば良かったなぁ。俺も若い頃、同じようにそう思った。そして、今やこの街にはたくさんの友人たちが居て、今日もまた俺のライヴのために奔走してくれている。

 今までどれだけのライヴをこの街でやったのか、もう思い出せない。けれど、俺も嫌っていた大人になって、何の力みもなく、演奏を楽しむことができた。俺は生きている限り、ステージに立つことは止めないだろう。そう思った。ありがとう。浮かんでくる言葉はそれだけ。

 そうそう。終演後、連れていかれたパスタ屋が絶品でね。壁にサインした「the best pasta of my life」ってのは嘘じゃない。彼はパスタを圧力釜で茹でるんだけど、あんなに美味いペンネは喰ったことがない。ありがとう。広島。多謝&再見。

追伸
 楽屋にソニー時代の宣伝ウーマンが来てくれた。18年振りに会った。彼女、いい感じに出来上がっていて、目を潤ませながらひとこと「歌い続けてくれてありがとう」と。いやいや、こちらこそ、来てくれて、ありがとう。俺はぜんぜん、諦めてないよ。

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by 山口 洋