寒いから、あったかい。秋田市にて。

2008/11/23, 01:29 | 固定リンク

11月23日 日曜日 曇り 

 開演前ホテルでくつろいでいたら、同じく東北を流れている花田裕之さんから電話をもらった。「身体、気をつけてね」。短い電話だったけど、とても嬉しかった。秋田は7年振り。ずっと前に種を蒔いてくれた人々が居たのに、来ることが出来なかった。だから、今回は自分で志願してやってきた。その7年前の主催者たち(みんな女性)はお母さんになっていたりして、とても嬉しかった。多分、苦労もしただろうけど、俺には到底たどり着けない表情をしていた。俺の以前のマネージャーは地元秋田で名酒を作っている。奴は音楽業界に居る時より、ずっといい顔になっていた。名酒、白瀑。うまい酒なんで、どうぞよろしく。苦労は人を育てる。そして今日のハコのオーナーは小坂忠さんのバンドのドラマーだった人だ。秋田。寒いから、あったかい。青森人、アキラがオープニングで歌ってくれた。奴の歌には北国に暮らす「ちんけな男(褒めてますから)」の風景、切なさ、そして憧憬がある。それは素晴らしいことだよ、と奴に伝えた。
 俺?曲が進むたびに、客席がいい表情に変わっていく。ライヴを終えて、楽器をアキラ号に積み込んでいたら、隣の店のポン引き氏が「明日はどこの街?寒いから気をつけてね」。何だか、ぐっと来たよ。秋田の友人達が連れていってくれた飲み屋が素晴らしくてね、漬け物とか、とんぶりとか、ハタハタとか。俺はこの国が抱えている現状とか、変わらない想いとか、音楽の持つ力とか、いろんな事を感じた。それは次のアルバムに込める。来て良かった。ありがとう、秋田。多謝&再見。

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by 山口 洋