野田敏との夜、熊本市にて。
2008/12/16, 17:48 | 固定リンク
12月16日 火曜日 曇り
僕の師匠、野田敏の新しい門出の夜に、たくさんのオーディエンスがつめかけてくれ、温かく彼を迎え入れてくれたことが、とても嬉しい。本当にありがとう。リクオは忙しい日々の中、彼の曲を全部譜面におこしてくれ(それって、俺の仕事じゃん)、おかげで当日限りのリハーサルが円滑に進んだ。イベンター「つくす」は開催のために奔走してくれ、会場「ぺいあのplus」のオーナー夫妻は早くから店をあけて、リハーサルをやらせてくれた。熊本のメディアの皆さんもたくさん来てくれて嬉しかった。
何よりも野田敏はその歌をまずは家族に向けて歌っていた。彼がどれだけ素晴らしいミュージシャンであるか、家族さえもあまり知らなかったらしい。あれだけ長きに渡ってステージに上がっていなかったから、その緊張感たるや大変なものだったと思うが、やっぱり彼は「本物」だった。あと、5本俺たちと一緒にやらせてくれるなら、驚異のパフォーマンスを見せてくれると思う。
僕は懐古趣味で彼を呼んだのではない。この時代に彼の歌が必要だと心から思うし、何よりも、僕がそれを聞きたいからだ。この時代、リストラや精神的に弱っている人たちが彼の歌を聞いたら、どんなに励まされるだろう。彼の書いたいくつかの歌は25年に渡って、僕の頭の中で鳴り続けている。そして、表には出ていない名曲がたくさん、たくさん埋もれている。30年前に書かれた「今夜こそ」はまったく古くなっていなかった。今日、通りで「今夜こそ」と心をギラつかせている若者も、家族を養うために頑張っている父ちゃんにも、それはロックンロールのファンタジーとして、力強く響くだろう。
何はともあれ、彼の歌を世に問うための長い長い旅路が始まった。今日が父親の命日だっちゅーのも何かの因縁だろう。何年かかるか不明だけれど、必ず実現させます。ま、敏さんあってのアルバムだから、俺の力だけではどうにもならないんだけれど。でも、今日、彼の魂から何かを受け取ったなら、どうか声援を送ってください。
最後に。敏さん。本当にありがとう。でも、俺、すっぽんみたいにしつこいですからね。新しい歌、書き続けてくださいね。首を長くして待ってます。
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