故郷の光

2009/05/07, 04:38 | 固定リンク

5月7日 木曜日 晴れ 

 えーっと何だっけ、何だっけ。とにかく僕は光を見た。それは写真に撮ったから、見てくれれば分かると思う。雨の大阪を出て、新幹線で、九州に向かった。博多駅に着いて、外に出て、こんなに空が広かったんだって、びっくりした。何が違うって、たまたまかもしれないけど、光が違うんだ。僕は自分が南国育ちだってことを、故郷を出て20年も経って初めて実感した。それから、お寺に行って、両親や祖父母とこんこんと話した。最近のこと。おかんの命日にオレは熊本で、野田敏とライヴだって。もろもろ頼むぜって。オレもバカだけど、学んでるから見ててくれって。愛だよ。あんたらももう分かるだろって。オレはやり遂げるからなって。それから、モツ鍋を喰いに行った。春吉にある「深川」って店。オレはここのモツ鍋が世界でNO1だと思ってる。このソウルフードはね、その昔、半島から強制的に炭坑に連れてこられた人たち。でも、本当にキツイ労働で、栄養価の高いものは何もなく。そのお母さんたちが、日本人が捨てる「臓物」を使って、彼らのスピリットの源である、ニンニクや唐辛子を使って、編み出したソウルフードなんだ。決して、オシャレな食い物なんかじゃない。(深川の大将は亡くなったんだけど、彼はいつも無愛想で、氷水でいつも臓物を丁寧に洗ってた。じゃないと、臭くて喰えないんだ。)故郷に帰ったら、それを身体で喰おうと思ってた。このオレがね、七人前、喰ったんだ。ゆっくりと身体にエネルギーが充満してきた。オレはもう寝ます。帰る場所はホテルだけど、やっぱり故郷は暖かい。ありがとう。

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by 山口 洋