故郷のあたたかさ

2009/05/09, 19:53 | 固定リンク

5月9日 土曜日 晴れ 

 九州は暖かい。殆ど夏だよ。今年になってから、スキーやもろもろの事で、東北や雪山の中に居ることが多かったから、九州に降り注ぐ光を見るだけでびっくりする。これに育まれてきたから、決定的に性格が暗くならずに済んだのか、とかね。
 事前に何のリハーサルもしなかった。でも福岡に帰ったからには渡辺圭一と演奏しようと思っていた。しかも、2〜3曲のゲストと云う形ではなく、すべての曲で。ベースと生ギターだけってのは、僕にとっても意外に未知の領域で、ハードルは高かった。このリハ嫌いの二人組が時間が許す限り、開演前のリハーサルに取り組んだ。そこには渡辺母の手製のおにぎりがあって、涙がちょちょ切れた。美味いなんてものじゃないのだ。真ん中に入ってるのは「愛」だからね。僕らがこの街に住んで、全国に貧乏ツアーに出かけていた時代、機材車の中にはいつも渡辺母のおにぎりがあって、それで三日間くらいは「飢え」をしのいでいた。体重は50キロを切っていたし、心も渇いていたし、あれがなかったら、多分今のヒートウェイヴはない。大げさな話じゃなくて。渡辺母、会いたいなぁ。
 ほころびた場面も多々あったけど、故郷で演奏するのは、本当に愉しかった。満員のお客さんが音楽に聞き入ってくれてるのが嬉しかった。楽屋にはたくさんの友人たちが来てくれる。変わらず応援してくれる人たちがこんなに居るってのは、本当に幸せなことだと思う。本当にありがとう。
 渡辺圭一からナイスな提案があった。一人HWとか二人HWとか、トリオHWとか。いろいろあるなら、ヒロシ抜きのHWがあってもいいやん、と。そっか、そこに考えが至らなかった。つーか、オレ、それ見たい。でも誰が歌うん?でも、多分それ実現させると思います。もちろん、オレは客席に居ますけど、絶対に演奏しません。

 何はともあれ。オーディエンスやたくさんの友人達から、計り知れないほどのエネルギーと愛をもらいました。ありがとう。バンドは必ず前進させます。

img09050012_1img09050012_2img09050012_3
by 山口 洋