里山アゲイン

2009/08/18, 19:05 | 固定リンク

8月18日 火曜日 晴れ 

 都会に戻って仕事に復帰する前に、もう一度里山に寄っておきたかった。何処に居ても自分の居場所と感じるところはないのだけれど、あの風景と人々の暮らしは心からリラックスさせてくれる。日本家屋の畳を観ると、身体の表面積をできるだけ密着させたくなる。世界を巡って、結局、畳に恋する45歳。オレはお箸の国の人間なのだ。
 
 「いつでも帰ってこい」と云われるのは、流れ者にとっては無上の喜び。寅さんだって、迎えてくれる場所がなきゃ流浪はできぬ。谷あいに星が輝き、心づくしの料理が並び、とりとめもなく話をする。
 人を破壊するのは人で、人を救うのも人。都会にも田舎にも「魔界」から来たとしか思えない人物が居て、負の渦を巻き起こし、人々はそれに飲み込まれていく。その人物は血の繋がった人間だったりするものだから、何とかしようと思えば思うほどアリ地獄の中に吸い込まれていく。どんなに愛をもっていてもどうにもならないことがある。結局、人を理解するってことはとんでもないことなのだ。たまには自分がぶっ壊れる。でも、だからこそ面白い。「負」のものにチャンネルを合わせてはいけない。もがけばもがく程、更なる「負」が巻き起こる。これは同世代の悪友どもの共通した意見。戦争に反対するのなら、知識を得て、平和を願おう。まずは自分の心を愛で満たそう。同じ事実をどの角度からどう捉えるかによって、結果は驚くほど変わってくる。それを実感する今日この頃。
 それぞれに「正義」があって、言い分がある。それはそれで尊重しよう。けれど、自分が絶対に正しいのだ、と言い切る人を信用するのは難しい。何故なら、かつて自分が振りかざした「正義」が正しかったためしがないからだ。だから、「真実はいつか自由をもたらしてくれる」。それだけは信じていようと思う。
 「everybody knows everybody」。田舎のそのような状況の中では、この世の中の良い事もそうではないことも、凝縮、濃縮されてそこにある。ひどく分かりやすく、生々しい形でそこにある。流れ者から観ると、そこはヒントに溢れている。たくさんの事を教えてもらって、今日も畳の上で気絶するのだった。

 さぁ、明後日から北海道に行くぞ。畳とお箸の国からやってきた、まごうことなき中年男のロックンロール・ファンタジー。気軽に遊びに来てくれ。11月のバンドのツアーも発表されました。詳しくは「news」を。

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by 山口 洋