職人魂

2009/09/04, 18:03 | 固定リンク

9月4日 金曜日 曇り 

 ずっとチャリンコの修理がしたかった。こいつが元気なら、海までこいつに乗っかって、そして海沿いを走ることができる。ランニングするのに、車で行くってのは何か違和感あるし。
 で、地元の人に聞いた昔からのチャリンコ屋さんに行ってみて、驚いた。技術、経験、話術、その他もろもろ。初老の店主はパーツひとつから自転車を組み上げる本物の職人さんだった。あまりの手際の良さと、溢れる「チャリンコ偏愛」に次に買うなら高くてもここで作ってもらおうと思ったのだった。「まずはお客さんの身長と股下と肩幅を計ります」。ふむふむ。「次にどんな用途で使うのか、見極めます」。ふむふむ。話は永遠と続く。「じゃぁ、お支払いを」ってところで「800円(オレは一時間くらい滞在してた)」ときっぱりおっしゃるので、ついでに空気入れも買って帰った。何だかなぁ、昔はこんな人町中にいっぱい居たよなぁ。無意味なほどの商品知識と溢れる仕事への情熱。レコード屋もしかり。こういうスピリットを自分の仕事にも注入しなきゃ、といいエネルギーをもらった。すっかり手入れしてもらって、オレのチャリンコは別の乗り物みたいに軽々と街を走る。素晴らしい。

by 山口 洋