人生に「yes」と云うためのエネルギー、京都にて
2009/09/24, 06:00 | 固定リンク
9月24日 木曜日 晴れ
十二段屋って知ってる?京都に古くから続く名店。メニューは白いごはんと赤出し、漬け物に卵焼きのみ。オレはここの食べ物が世界で一番好きだ。多分、二年振りに食したけれど、その味は何も変わっていなかった。感涙。
京都は云わずと知れた、日本一歴史のある小屋、拾得にて。オレが愛するオーナーのテリーさんはこのハコの響きを知り尽くしている。だから、無意味に長いリハーサルはしない。今日のポロシャツは蒼にしよう。連休直後にも関わらず足を運んでくれた人々のエネルギーと、このハコの歴史が育んだものに、オレは乗っかる。「金も病も痛みも、苦しみも愛も、すべて詰め込んで、この人生にyesと云うためのエネルギーを」。誰だっていろんな事を抱えている。だから、最初から最後まで、この想いだけは忘れないようにして、ステージに立っていた。
終演後、随分と酔っぱらったオーディエンスのひとりにこう話しかけられた。「ヒロシさんが歌う「いつか」って言葉は絵空事ではなくて、いつか本当に実現する気がするんです」。嬉しい感想だった。オレもね、実はそう思ってるんだよ。歌を書き始めてから、ずっと。今日に至るまで。足を運んでくれた人々、そしてオレの大切な友人たち。本当にありがとう。どうか、元気でね。
オレはどうしても今夜、京都を発たねばらなかった。無茶だとは思う。でも、どうしようもないこともある。日が開けて、25日は岡田マサルの誕生日だった。京都から亀山までぶっ飛ばして、寝静まった「月の庭」にメッセージを託した。今日まで気がつかなかったけれど、渡辺圭一と岡田マサルは同じ誕生日だったんだね。だから、圭一にも電話した。「おめでとう、じゃぁね」。「用はそれだけ?」。「うん、それだけだよ」。
深夜の高速道路を東京まで飛ばす。久しぶりだ。道は巨大なトラックだらけ。たまに身の危険を感じたりもする。けれど、昔と変わったことがある。あのバブルの時期に比べて、運転手たちのマナーが格段に良くなっている。彼らは同業者に対して「思いやり」がある。この国が金で溢れていた頃の方が、彼らの運転は殺気だっていて、怖かった。きっと厳しい労働条件だろうに、それでも他者への「思いやり」を忘れない筋金入りの彼らに敬意を表したい。
朝方。ようやくたどり着いた。このシリーズは久しぶりにタフな経験をした。けれど、もたらされたものは大きい。それらを言葉やメロディーに紡ごうと思う。出会った人々。本当にありがとう。多謝&再見。
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