ドニゴールの風

2009/12/13, 00:49 | 固定リンク

12月13日 日曜日 雨 

 目覚めたら節々にガタが来ていた。当たり前か。じっとしているのと、積極的な休養とどっちがいいんすか?と身体に聞いてみる。ふむ。そうか。じゃ、身体と対話しながら、感謝を込めて、ゆっくり走ろう。
 アルタンが来日していた。今日は最終公演。三鷹まで出かけた。ステージに彼らがジュニア・オーケストラと指揮者と共に現れ、モレートさんが歌った瞬間。突如涙腺決壊。自分でも訳の分からない感情がこみ上げてきた。目の前にドニゴールの風景とか、自分が経験したこととか、浮かんでは消えた。心が焼豚みたく紐で縛られたようにドキューンとして、涙が溢れてきて止まらなくなった。何なんだ、この感情は。とてもじゃないけど、人に会えるような状態じゃなかった。楽屋にも行かず、誘われたパーティーにも行かず。歩いて、電車に乗って、街を徘徊して、空を見上げて、家に帰った。心からごめんなさい。オレとて、みんなに会いたかった。でも、もらった風景と巨大な感情をまずは咀嚼しなきゃ、と思ったのだ。アルタンはどんなに世界に名の通ったグループになっても、やっぱりドニゴールの香りがする。ダメだ、今日は言葉が浮かばない。でも、一言だけ。本当にありがとう。何だか、とても寒い日の冬の空のように心は澄んでる。

by 山口 洋