これってビーチマラソン、それともサスケ?四度目のレース完走す。

2010/01/03, 21:28 | 固定リンク

1月3日 日曜日 晴れ 

 昨日コースを下見した通り、マラソンコースは堆積した砂で無茶苦茶だ。砂浜と違って、堆積した砂は乾燥しているので、走りにくいことこの上ない。つーか、慣れているオレですら、危険だと思っていた。いつものようにエントリーして、主催者の発表を聞いて、驚いた。今日は前半2.5キロが砂に埋没しているので、その区間は砂浜を走ってもらいます。「えーーーーーっ」。聞いてねぇよ、と思ったが、オレはこの田舎のいなたいマラソン大会が大好きなのだ。更に主催者は「こんな事滅多にないんで、足腰鍛えると思って、皆さん怪我に気をつけて、楽しんじゃってくださーい」。あはは。このユルさにもう笑いしか出てこなかった。おまけにハーフは今まで折り返しが5回あった。常々危険だと思ってはいた。それゆえ、今回から突然中止。ハーフ改め20キロレース。その代わり折り返しは3回に減った。いいじゃん。この臨機応変な対応。てな訳で、オレとヨシミと幼稚園の園長Mさんは20キロにエントリー。でも、往復の砂浜5キロって、走ったことのある人なら分かると思うけど、とんでもなくキツいのだ。 
 何だか楽しくなってきた。オレはヨシミと話し合って、今日は競い合うのは止めて、トレーニングの一環ってことで、砂浜で足腰を鍛え、残りはレースペース走として、1キロ5分20秒をキープすることにした。ところがね、今日のレースは今までで一番楽しかったのだ。二人は並走しながら「何だか、楽しくね?」、と。ベストのラップより20秒遅いので、フツーに会話しながら走ることができる。しばらく行くと川に幅20cmくらいの橋(のようなもの)が架かっていて、二人で「これサスケやん、競技が違うやん」と。アバウトにも程がある、オレたちはこの大会に惚れてきた。考えてもみてくれ、防風林を挟んだ国道では箱根駅伝が行われ、上空にはヘリが飛び、沿道には応援の人が多数。それに比べ、こちらはビーチ・サスケ・マラソン。砂浜をゼッケンを付けて大挙して走ってくる連中にサーファーたちも目を白黒。今までと違って、ペースを少しだけ落とすことによって、走ることの喜びが見えてきた。給水所でランナーのためにカステラを小さく刻んでいるおばあさん、「今日は完走バナナを用意してるからがんばれー」と叫ぶおっさん。「うちからみかん300キロ持ってきたぞー、好きなだけ持ってけー」と叫ぶ多分みかん農家のボランティア。折り返し地点で「箱根駅伝のランナーだと思って走れー」と叫ぶおっさん、それに応えて「絶対無理ーーっ」とオレ。駅伝観戦のついでに旗を振って応援してくれる人たち。一番好きだったかけ声は「いつか実を結ぶぞー」だった。あはは。結果がどうだったかと云うと、前回死ぬ気で走ったものと遜色ないのだ。砂浜を5キロも走ったにも関わらず。オレたちは今までストイック過ぎた。この田舎の大会を支えてくれている人たちをかえりみることもなく、自分の結果に一喜一憂していた。でも、違うじゃん。一銭にもならないことに、これだけ情熱を注いでくれて、毎回困難を乗り越え開催してくれて、その上に乗っかってオレたちは走ってるだけじゃん。このゴール地点の写真観てくれる?手作り感満載。本当にありがたい、とオレは思う。繰り返すけど、今までで一番楽しかったよ。

 10キロや5キロに参戦した友人達も全員完走。いやはや。走ることは奥が深い。ストイックな道の次に、「愉しみ」が加えられたこと。それは財産だと思う。マラソンの神様に怒られないように、3月の本番では、「愉しみ」ながら4時間を切れるように、腰を据えて練習したいと思う。

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by 山口 洋