R.I.P

2010/01/12, 16:01 | 固定リンク

1月12日 火曜日 雨 

 ミック・グリーンが亡くなったと、友人からメールが来た。よく勘違いされるけれど、ピーター・グリーンではなく、ミック・グリーン。The Piratesの炎のギタリスト。10代の頃、わずかな金を握りしめて、福岡のレコード屋に通った。今でこそ、フツーに会話できるけれど、店主は怖かった。僕はその店で、ルーツ・ミュージックを学んでいった。そこで「一家に一枚、パイレーツ」と云う手書きのPOPと共に売られていたのが、「out of their skulls」と云うライヴ盤だった。ミック・グリーンの弾くギターは、まるでマシンガンがチェインソーのようで、すぐに夢中になった。彼のギターには「guts」があった。多分、今でも最初から最後までソラで弾ける。後に現れた、似たスタイルのウイルコ・ジョンソンよりも、オリジネーターとして、遥かに強力だった。彼はピックを使わず、指であの凄まじいフレーズを弾いているという「風の噂」を聞いて、僕も指先から血が滲むまで弾いた。彼は僕のギターに決定的な「guts」を与えてくれたのだ。

 当時、僕らが根城にしていたスタジオで、隣のスタジオからミック・グリーンの曲をなかなかのgutsで弾いているバンドが居た。ムズムズしたので、僕もケースからギターを出して、見ず知らずのバンドに乱入して、一緒に演奏した。そこで意気投合したのが柿木と云う男だった。奴から突然電話があった。今月末に、福岡のとあるハコのオーナーの命日に合わせて行われるライヴ。そこにウルフルケイスケも出演するので、一緒にセッションして欲しい。そんな内容だった。喜んで。そう云えば、ケイスケもミック・グリーン、好きだったよなぁ。多分、ミック・グリーンが繋いでくれた縁なんだろう。オーナーとミック・グリーンの魂に届くように、一緒に演奏しよう。

http://www.mojo4music.com/blog/2010/01/mick_green_1944-2010.html

by 山口 洋