微妙に汚れた笑顔と繋がっていくもの、福岡にて

2010/01/23, 22:54 | 固定リンク

1月23日 土曜日 曇り 

 古き良き福岡がまだ残っている西新と云う街に、歴史のあるJAJAと云うハコがある。俺たちは変名バンドでしか出演したことはないのだが、かの街のシーンに果たした影響は大きい。オーナーの石橋さんが亡くなって10年になる。ヒロシが故人と深い交流がなかったことは知っているが、街のため、故人の遺志を繋いでいくため、出演してくれないだろうか。がってん、承知しました。正直に云って、あの街に生まれたことが面倒臭かったこともある。けれど、そうでなければ、音楽はやっていなかっただろう。だから、今は深い感謝の気持ちがある。何より、どうしようもないこの暑苦しさは、あの街が育んでくれたもので、オレは在日九州人だと今も思っている。
 そういえば、結成間もないウルフルズを初めて観たのも、このハコだった。もう20年以上前の話。特にウルフルケイスケとは、奴がその前にやっていたバンドの時から気があって、良く男の子チックな遊びをしたもんだ。ひひ。な訳で、ケイスケと、旧知の柿木と、オレは街とオーナーに感謝を込めて演奏した。楽しんでくれたかい?

 ところで、ケイスケのトレードマークと云えば、笑顔。もはや、職業は笑顔と云っていいほどの笑顔。考えてみると、オレのアーティスト写真と云うものに笑ったものは皆無。楽屋で奴に聞いてみた。「ケイスケ、笑って写真に映る方法を教えてくれ」。奴の教授のもとに撮影されたのがこの写真。微妙に汚れた笑顔。二人合わせて90歳。なぁ、ケイスケよ、柿木よ。人生はお互いこれからだぜ。道を切り拓こうぜ。

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by 山口 洋