その名前

2010/02/19, 02:27 | 固定リンク

2月19日 金曜日 晴れ 
 
 親である、オレの友人たちが、我が子の名前をつけた時の話を聞くのが好きだ。誰の話をどう聞いても、「ふーん」と納得する。それを語る時の、奴らの顔を見ているのが好きだ。多分、その時はモーレツな感動のもとに、願いを込めてつけてるんだもん。愛だよ。親の願い通りに、子供たちが育っているかどうかは不明だけど。オレは子供が居ないからその感覚は分からないけど、もし女の子が生まれたなら。冬だったら「雪」、夏だったら「千夏」にしようと思ってた。若い頃から、訳もなく。男だったら、うーん、「岩石」かな。
 オレの名前はじいさまがつけたらしい。俳句と絵をたしなむ、風流なじいさまが。洋と書いて「はるか」と云うアイデアだったらしい。その時に詠んだ俳句が遺ってる。このトシになると、とても嬉しい。何で「ヒロシ」に落ち着いたのか、オレは知らないし、もう知ることも出来ないけど、こんな凡庸な名前でも、悪くないじゃん、と最近は思う。ありがとね、と思う。走りながら、海を見ていたら思うんだよね。灘じゃなくて良かった、とか、湾じゃなくて良かった、とか。7つの海って、ソラで云える?オレはまだ観たことがないものが、4つもあるんだけど、死ぬまでには全部観たい、と訳もなく思う。それって、多分、自分の名前に引っ張られてるってのは、考え過ぎでもないと思う。

by 山口 洋