ARABAKIにて

2010/05/01, 01:09 | 固定リンク

5月1日 土曜日 晴れ 

 僕が新聞で見かけた記事が正しければ、ARABAKIは4万人を集めると云う。ってことは二日で8万人?すごいね。東北の人々がこのフェスを愛しているのがステージに立っていると分かる。徹底した地域密着。そのあり方がとても好きだ。亡くなった井上ひさしさんに通じるものがあると思う。

 ところで、ミュージシャンは同窓会に行くのだろうか?僕は一度も行ったことがないし、ミュージシャンのともだちがそれに出かけたと云う話も聞いたことがない。フェスの楽屋ヤードは多分、ミュージシャンにとって、それに近いものがある。一応簡易プレハブ小屋がそれぞれのバンドに割りあてられているのだけれど、そこに居るのは着替えるときだけで、多くはバーベキューなんかをやるエリアに居る。久しぶりに会うミュージシャンやスタッフがわんさか居て、「おー、久しぶり」と云う会話があちこちで飛び交っている。多分、あまり過去を振り返らない人種だから、それはそれで悪くない。僕らは経験上、来年「確実に会える」とは思っていない。だからこそプレシャスな時間でもある。
 
 僕は今日、夜のステージを任された。ミュージシャンに声をかけて、この山の中で夜を過ごす人たちに音楽を届けて欲しい、と。でも、本当に山の夜は寒いのだ。だから、それを知っているミュージシャンに逃げられた(泣)。でも、フライング・キッズの浜崎くん、花田裕之さん、うつみようこちゃん。この3人が残ってくれて、寒さで指がかじかみ、マトモにギターも弾けないような状況の中、それぞれの素晴らしい音楽を響かせてくれた。感謝MAX。皆さんとセッションするのは僕にとっても大いなる喜びなのだが、いかんせん、僕のMCっつーのはどうなんだろうね。本当に申し訳ない。

 浜崎くんとは清志郎さんの「トランジスタ・ラジオ」を、花田さんとは歌詞を書かせてもらった「old guitar」を、ようこちゃんとは一緒にレコーディングした「新しい風」を演奏した。それぞれに素晴らしかった。ようこちゃんは寒さの中、最後まで残ってくれたので、嬉しくて羽交い締めにした(写真参照)。僕と彼女はもはや性別を超えた、おっさんとおっさんの付き合いなのだ。ここに13年前のPVがあるのだけれど、バイオリンのHONZIはこの世には居ない。だからこそ、一瞬を大切にしよう、と思う。寒い中、会場に残ってくれたオーディンス。本当にありがとう。楽しんでくれたかい?

http://www.youtube.com/watch?v=FNK9l1VLCPc

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by 山口 洋