スポイル

2010/05/04, 16:21 | 固定リンク

5月4日 火曜日 晴れ 

 汗が吹き出してくる。連休で海沿いの道はバーベキューの家族連れでいっぱい。その煙の中を縫って、ただゆっくりと走る。タイムトライアルでもビルドアップでも何でもなく、ただ21キロを自分のペースでゆっくり走るだけ。19キロで膝にガクっと衝撃が走って、まるで走れなくなる。まったく僕はどれだけ化学と科学にスポイルされてたんだと、自分が情けなくなる。嗚呼、またか。
 走ることは、誰の指図も受けず、必要なものは靴だけで、好きなときに、好きなだけやることができる。身体に溜まった嫌な感情を地球がアースしてくれる。それが理由だったはずなのに、低血糖、低体重、貧血、膝や関節の痛み。いろんなものを乗り越えるために、用具やサプリメントが必要になり、次第に煩雑になった。フルマラソンを走って、目標を達成して、それらが芯から嫌になった。とはいえ、あれだけ走れたんだから、生身で走ることも、そんなに難しくはなかろうと思っていたが、ところがどっこい。これはほぼゼロからのやり直しに近い。ならば、やり直してやろうではないか、と思う。出来るだけバランス良く栄養を摂取して、体幹ウェアなんて着なくても、まっすぐに走れる体幹を鍛え、鋼鉄でしなやかな膝を持とう。面倒だけれど、やりがいはある。

流れに逆らって泳ぐには力と勇気が必要だ。
浮かぶだけなら、死んだ魚でもできる。サミュエル・スマイルズ

安全な場所に身を置いて、勇敢であるのは簡単なことだ。イソップ

いい言葉だ。

by 山口 洋