ハイチ地震復興支援コンサート

2010/05/06, 21:47 | 固定リンク

5月6日 木曜日 晴れ 

 僕が二年に一回くらい訪れる広島県福山市に、ポレポレと云うお店がある。オーナーのユウさんは「まぁ、座らんかね」って感じで、まずは美味しいコーヒーを飲ませてくれる。僕の記憶が正しければ、それはハイチのコーヒー。とても美味しい。人の手を「ちゃんと」経た味とでも云えばいいのか。ユウさんはとても温和な人物なんだけど、その実、音楽に関してはとてもシビアな眼力を合わせもっていて、ライヴ後に、ひとこと微笑みを交えて、どきっとするような事を云われたりする。もちろん溢れる愛があってのことなんだけど。だから、ポレポレはツアー中の心温まる止まり木で、同時に僕にとってはシビアな場所。それがミュージシャンを鍛える。そんな店を小さな街でずっと続けてきたユウさんを僕は心から尊敬してる。
 
 ユウさんがハイチのミュージシャンを呼んで、元在日ハイチ大使も交えてツアーをする、と。まじすか?お店どうするんですか?僕に出来ることがあれば、何なりと。でも、その音楽を聞いたことがないので、何とも。で、送られてきたアルバムを聞いて、ぶっ飛んだ。こりゃ、本物だわ。これがブードゥーなのか何なのか、知識に乏しい僕は判断のしようがないのだけれど、大地と神と心とが直結した「魂の音楽」であることは僕にも分かる。すごい。胸に「ズンズン」と響いてくる。

 ユウさんはツアーのフライヤーにこう書いている。

「2010年1月12日、ハイチ共和国で起こったマグニチュード7.0の地震。報道などでご存知のとおり、地震規模の大きさやハイチの政情不安定に起因する社会基盤の脆弱さが相まって22万人以上の人が亡くなり、総人口の約3分の1にあたる300万人が被災したと推計されています。単一の地震災害としては近年空前の大規模なものであり、西半球の最貧国であるハイチにとって、想像を絶する厳しい状況となっています。
 私たちは1997年より、ハイチから音楽家や画家を招き、経済的には貧しい国でありながら豊かな文化を持った民衆がいることを日本に紹介してきた「ハイチ文化交流の会」と申します。2001年よりNPO法人e&g研究所を創設し、ハイチにゴミ収拾車を送ったり、ハリケーン・ジーン緊急救援事業を実施(AMDAと共同)してきました。

 地震直後、ハイチの友人知人たち誰とも連絡が取れず心配していたところ、ようやく連絡が取れた元在日ハイチ大使マルセル・デュレ氏から「ハイチの至宝ともいうべき音楽家アゾールと、長年ハイチ音楽をリードしてきたブロー・バクールが幸運にも無事であること、そのふたりが急遽来日し、コンサートツアーを行い、自身で日本の人々に救済を訴えたいと願っているので、ツアー企画を引き受けてほしい」との要請が入ったことがきっかけで、この度「ハイチ地震復興支援コンサートツアー」企画を立ち上げました。

 コンサートツアー収益金は全額ハイチ救済のために使わせていただきます。また各会場でも募金箱を設置し、救済募金も募ってまいります。

 集まった募金は地震直後よりハイチで医療活動を行っている「AMDA」の義肢支援及び、やはり地震直後よりハイチに行きガレキ撤去工具、家族用テントの配布をし、現在は校舎が崩壊した学校再開事業を行っている「ピースウィンズ・ジャパン」に寄付します」。

 まったくもう。彼は居ても立っても居られなかったんだと思う。でも、行動するのに理由はそれで充分だと思う。僕は自分の耳で聞いた音楽が本物だと思わなければ、ここには書かなかったと思う。そして僕はハイチのことは殆ど何も知らない。ただ、本物の魂を浴びにいくのだけでもいいと思う。知らないことは何も恥ずかしくない。知ろうとしないことは恥ずかしいけれど。

 このサイトの「イベント情報」にツアースケジュールが載っています。本当は今僕の手元にある「音楽」を聞いてもらうのが一番早いのだけれど。興味がある人は是非足を運んでください。

http://gambaro-haiti.com/

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by 山口 洋