アーカイブの意味

2010/05/17, 02:27 | 固定リンク

5月17日 月曜日 晴れ 

 ある人がある人に僕の音楽の橋渡しをした。それに際して、「ヒロシのプロフィールをちょうだい」と。そんなもの、僕にはない。興味を持ったこともない。いつも必要に迫られて、ライヴの主催者なり何なりが、一生懸命作ってくれたものが複数存在するだけで。だいいち、僕のこのシチ面倒臭い人生を把握しているのは、今や僕だけで、それを文字に起こして、今さら吐き気を催す気もない。
 で、その人は云った。「エポックメイキング的なこと、教えて」。僕は考えた。いくつもある。例えば、「僕は中川敬と一緒に国後島で演奏したことがある」。そんなミュージシャンは殆ど居ないだろう。けれど、多分記録は残っている。それが以下のリンクのこれだ。あれから時代は変化した。僕も若かった。

http://www.five-d.co.jp/heatwave/kunashiri/kunashiri1.html

 今、読んでみると、いろんな意味で、それがいい経験だったことが分かる。帰国して、僕は晴美埠頭で「売国奴」だったか「非国民」だっだか忘れたが、どっちにしても同じようなことは云われた。だから何だ。世界は何も変わってないじゃないか。ほぼ10年経過して、この経験が僕の血や肉になっていることだけは確かなのだ。だから、ありがとう、と僕は云いたい。

by 山口 洋