身体の声に耳を澄ます

2010/08/20, 21:21 | 固定リンク

8月20日 金曜日 晴れ 

 とにかく、諸説ありすぎる。また走る話かと、云うことなかれ。どの道を辿ったところで、似かよってると思うから。
 たとえば、走る前に。ストレッチは不可欠だと云う説がある。それが不要だと云う説もある。僕も何となく、それをやった方が故障しないだろう。それだけの理由でせっせとそれに励んでいた。でも、ある日こう思ったのだ。ライオンに狙われた草食動物がストレッチするか?な訳がない。問題はライオンより速く走れるかどうか、スタミナがあるかどうか。ただ、それだけだ。この世で何かに夢中になると、何だかんだと器具やら、やらなきゃいけないことが増えて、煩雑になる。一度そのスパイラルに陥ってしまうと、次から次へと煩雑さが増えていく。いつも途中で立ち止まって、「ん?」と考えるのだ。これが僕のやりたかったことか?いや、違う。もっとシンプルだったはずだ。何だか訳の分からない「恐怖」を煽る情報に踊らされてるだけだ、と。身体の声に耳を澄ませば、応えは簡単に見つかるはずだ。
 誰にも勧めないけれど、この夏は敢えて、炎天下を選んで走った。太陽系のすべてのエネルギーの源は太陽である。だったら、そのエネルギーがどれほど凄まじいのか、身体の声を聞きながら、無茶はしないところで、そのエネルギーをもらった方がいいではないか。僕はそう考えた。北海道から八重山まで、あらゆる種類の炎天下を経験した。結果、僕は変わった。何だか、しじゅう燃えてるような感じがする。疲れることがあまりない。汗腺が増えたのかどうかは定かじゃないが、ライヴ中にかく汗の量が格段に増えた。要するに新陳代謝が良くなっている。悪影響と云えば、確かに目には悪かった。サングラスはすべきだったと思う。そして長時間クーラーの効いた部屋に居ると、調子が悪くなる。でも、総じて僕の原人化は進んでいる。思考のそれも同じだ。

by 山口 洋