退路を断つ

2010/08/28, 10:42 | 固定リンク

8月28日 土曜日 曇り 

 先日、あるミュージシャンである友人が、若手のミュージシャンと話していたときのこと。「僕は退路を断って、音楽に没頭したから、今の自分があるんだと思う」と若者にサジェッションしているのを聞いて、これはとても分かりやすいなぁ、と思ったのです。僕の頭の中には「人は追い込まれて初めて、本当に生き始める」と云う言葉が常にあるのですが、ほぼ同義だなぁ、と。「慣れ」とは違うけれど、退路を断って、ずっと矢面に立っていたなら、やがてその緊張感が当たり前になり、自分で諦めない限り、可能性は無限大だと思えるようになる。与えられたひどい試練もいわば、レッスンのようなものだと思えるようになる。まぁ、そんなに簡単ではないけれど、どんなに追い込まれたとしても、必ず光は見いだせる。暗闇の中に居るからこそ、くっきりと見えてくる光がある。そのようなことを今度のツアーで中空に描きたいと思っています。どんな時代であれ、無軌道なニンゲン達でしか描けない奇蹟、それを観に来てほしいと思っています。
 大竹しのぶさんが「ミューズの晩餐」と云う番組で、僕のバージョンの「満月の夕」を歌ってくれたのだと、連絡がありました。歌はリリースした時点で自分のものだとは思っていません。誰かに歌い継がれることは、その人の有名無名に関わらず、作者の本望です。オンエアは9/4(土)だそうです。
http://www.tv-tokyo.co.jp/bansan/

 山の生活にも慣れました。力仕事もほぼ終え、ひとりきりで音楽に向かっています。ランニングも激しすぎたので、今日は休みです。高原には秋の風が吹き、虫たちも涼しい音色を奏でています。

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by 山口 洋