研ぐ

2010/12/01, 19:32 | 固定リンク

12月1日 水曜日 晴れ 

 12月だよ。信じられない。

 どんなに頑張っても終らない荷造りにうんざりして、来年の「Runners diary」を買いに行く。これで二冊目。記録によると、今の時点で今年に入って3200キロ走っている。フルマラソンに換算すると76回分になる。アホか、と思う。

 最近のプロフィールに、「シンガーソングライター、ギタリスト、プロデューサー、そしてランナー」と書いた。僕にとって、それはもはや「趣味」ではなく、「仕事」には永遠にならない。では何なのか?分からない。自分が自分で居るための「行」みたいなものか。切れない包丁を砥石で磨いてるような感覚はある。切れないから研ぐのだ。この季節、キツい練習をする日には、もう何も考えない。その余裕もない。ただ、ケモノのように走る。キツいことにはやがて慣れる。どんなにしんどくても、それには終わりがあることを知っているから。それよりも、自分が立てた目標を達成できない方がキツい。ピッチからストライドに変えて、地面の反発を利用して、跳ぶように走る。あくまでも自分の中では。4分15秒、4分10秒、4分5秒、4分、3分55秒、3分50秒。その世界に棲んでいるときはひどく愉しい。体脂肪率8%。これ以上痩せると危険。気を抜くとすぐに痩せる。だから、喰う。これも行。ご飯は常に大盛り。科学の力はもう必要ない。貧血になれば、身体が教えてくれる。おしゃれに走る気もない。レースに出なくてもいい。ただ、研いでいたいんだと思う。

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by 山口 洋