quiet anger

2005/12/11, 23:13 | 固定リンク

12月11日 日曜日 雪 

 金沢から雪の中を抜けて、東京に戻った。肉体的にはしんどかったけど、実りのある旅だった。関わってくれた多くの人に、この場を借りて礼を云います。本当にありがとう。
 来年、まだ寒い頃に、俺は出来るだけ小さな街を廻ろうと思ってる。もう一度この国をちゃんと見つめてみようと思ってる。最近のこの国は何だか致命的におかしい。でも、素晴らしいものだって絶対にあるはずだから。
 そう思ったきっかけは、独力でツアーを続けるガッツのあるミュージシャン達の行動だった。例えば、花田さんだったり、リクオだったり。バンドで新しい音楽を届ける前に、俺は一人で新しい曲たちを磨いてみたかった。ならば、行けばいいじゃないか。ギター一本ありゃ、何でもできるんだし。俺にはノウハウがあまりなかったから、リクオに勝手なメールを書いた。「日本中のライヴが出来そうなところ、教えてくんない?どんな小さな街でもいいんだ」そしたら、奴はコメント入りで、北海道から沖縄まで、長年かけて自分が足と努力で稼いだ情報をすべて俺に教えてくれたのだった。俺はちょっと感激した。奴の人間性とミュージシャンシップに。ありがとう、リクオ。
 夜、配達証明付きの郵便が届いた。それはソニーからのものだった。俺は9月にソニーの法務に出向いた。ネット配信に関して、おかしいと思うことを、おかしいと云いに行った。人の助けも借りて。それに対する返答。何も進展もなかった。ソニーさん、あなた方の考えは良く分かりました。我々は不要な争いは好みません。強いて言葉にするなら、友人が教えてくれたのですが「quiet anger」と云う気持ちです。我々が暮らしているのは自由の国のはずです。だから、自分が思うことを冷静に発言し続けていくだけです。
 我々に出来ること。アルバムを作るための自分たちなりの方法。それにチャレンジしていくことだと思います。音楽を続けていく上で、一番大切な事は何なのか?それを見失わないことだと思います。そして、40の齢を過ぎても、多くの可能性を秘めているこのバンドを続けていくこと、多くの人に届けること、それを楽しむこと。願わくば、それを聞いてくれた人々がハッピーになってくれること。そこに向かっていきたいと思います。

これは僕が2年前に書いた歌詞の一節です。
気持ちは今も変わりません。

求めているのは答えじゃない
動かしてるのはもう怒りじゃない
流してるのは涙じゃない
探してるのは言葉じゃないのさ

We are still burning!

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by 山口 洋