金沢にて

2005/12/10, 22:33 | 固定リンク

12月10日 土曜日 ちょっと雪 

 昼過ぎに会場入りして、驚いた。せ、狭い。熊野と云う愛すべきアホが頑張ってる店、俺は何度も来たことがあるけど、こんなに狭かったっけ?それにこんなにお客さん入れて大丈夫なわけ?でも、俺はこの店が好きなのだった。市場の入り口にその店はあるのだけれど、もう失われつつある「市場」ってものが厳然として、そこには残ってる。歩いてると、「兄さん、カニどう?カニ?」みたいな。ぶふふ、素晴らしい。俺たちは昨夜、すっかり自信をつけてしまったので、リハもそこそこに、本番を待った。
 ステージに上がって、まずは熱気に驚いた。よくもまぁ、これだけの人を収容したもんだ。そう云えば、熊野が自信満々に語ってたっけ。「余裕っすよ、余裕」。俺の目には「余裕」には見えなかったが、例えば、PAマンに音の事を伝達しようにも人ごみで不能。そんな時は天井にへばりついてライヴを観てるお客さんが、PAマンにその注文を伝えてくれる。そんなあり得ない伝統がこの店にはあるのだった。今日においては、PAから出てる音は俺の声と生ギターのみ。後はバンドの生音なのだ。いやぁ、燃えるねぇ。バンドの力量が試されるっつーか。前回の金沢のライヴはメンバーの4分の3が憎きノロ・ウイルスにやられていて、俺なんぞ、ライヴ後、即入院の憂き目に遭った。ここでゴキゲンな演奏をしなきゃ、金沢のお客さんに申し訳ないじゃん。
 ってな訳で、心底楽しかったよ。ありがとう、金沢。みんないい顔してた。君たちは「新しい可能性」について教えてくれました。本当に大事な事は何なのか?それを今更ながらに知った気がしています。俺は朝5時までかけて、2ステージ目に突入した。池畑兄は朝イチの飛行機で東京に戻ってライヴなのだ。す、すごすぎる。で、朝まで俺と騒いだ挙げ句、兄を空港まで送っていく熊野も大したもんだ。
 音楽は人が奏でるものだと思う。それを愛するのも人。要するに人そのものなんである。ありがとう。新しいアルバムにも沢山の人が賛同してくれつつあります。ありがとう。いろんな人からもらったエナジーを新しいアルバムの中に込めます。近いうち、またやって来るからね。元気で。再見。

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by 山口 洋