into the wild

2008/04/28, 14:26 | 固定リンク

4月28日 月曜日 晴れ 

 印象的な話を聞いた。語ってくれたのはコワモテで有名な、かつ曲がったことが大嫌いな屈強の九州人。俺は敬意と畏怖の念をもって彼に接している。彼が渋谷の歩道橋を歩いていたら、前から中学生くらいの女の子が4人、行く先を塞ぐように歩いてくる。彼は「ちょっと、ごめんね」と優しく道をあけてくれるように頼んだ。すれ違ってしばらくして、背後から「キモいんだよ、あのオヤジ」みたいな台詞がこれみよがしに聞こえてきた。思うに、彼女たちは「云ってはならないこと」を本能的に察知していない。それが危険極まりない。言霊があることも、理解していない。それに年齢は関係ない。恐ろしい。
 俺は監督としてのショーン・ペンが好きだ。彼が描いてきたことは、いつだって俺の心の中にあるものと、ほぼ同じだ。その彼がジョン・クラカワーの「into the wild」を映画化していることを知って、ずっと完成を心待ちにしていた。この世界で「このまま」生きていくことに「本能的」な危険を察知したある若者が、荒野にたった一人で入っていく話。どちらにしても、この世で生きていくことは「into the wild」に違いないのだ。
 
http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2302705/2280262
http://www.youtube.com/watch?v=2LAuzT_x8Ek

by 山口 洋