宮崎にて

2008/10/22, 10:31 | 固定リンク

10月22日 水曜日 晴れ 

 ヴォルケーノの街、鹿児島で目覚めた。陽光は南国のものだった。テレビをつけると、天気予報で「桜島に吹く風の強さ、および風向き」の詳細をアナウンスしていて、さすがでごわす、と小さな感動をする。

 九州シリーズはいつもイベンター「つくす」が帯同してくれている。気のおけない連中。ソロ・ツアーでこんなに楽ができるのはここだけだから、思い切り甘える。抗生物質が送られてきて、歯痛も随分楽になる。

 宮崎。降りしきる雨の中。少年が「むかご」を拾ってきてくれた。これは死んだ母親の好物だった。先日、大分の山の中で出会った少年の祖父母が来てくれた。40年以上、ディランが大好きなおじいちゃんとおばあちゃん。20年以上、うちのバンドを聞いてくれている壮年男子にも会った。会場、sohoの変わらぬホスピタリティーも嬉しかった。地方をくまなく廻ると、見えてくるものがある。最近、エアー魚、とかエアー圭一、あるいはエアー池畑さんっちゅー、くだらない芸があるのだが、あれは決して冗談ではなく、いつの日か俺は地方にバンドの音を響かせるために、一人で廻っているのだ。俺が諦めてしまわない限り、可能性はいつだって無限大だ。その気持ちを支えてくれているのが、足を運んでくれるオーディエンスなのだ。いつも、ありがとう。

 共に過酷な日々を過ごしてきた「つくす」とは今日でお別れ。「つくす」は疲労で「つくし」みたいな顔になっていた。互いを慰労するために、美味しいものを食べに行った。鹿児島の貝汁とわっぱ飯も絶品だったけど、今日のお店が素晴らしくてね。見てくれはフツーの居酒屋なんだけど、料理のクオリティー、ホスピタリティー、値段。すべてが素晴らしかったので、紹介しておきます。「さくら家、橘通り店」。ちなみに、このエリアには通常の度数より低い20度の焼酎があって、疲れた身体には素晴らしく美味かった。まだまだ知らないことだらけ。だから、旅は止められん。

 ありがとう。我が九州。また12月に戻ってきます。

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by 山口 洋