海さくらにて

2009/09/06, 12:07 | 固定リンク

9月6日 日曜日 晴れ 

 この二日間でいったいどれだけの曲を、どのミュージシャンと、どこのステージで演奏したのか?今となっては、もはや定かではなく。この祭りが、誰かと誰か(あるいは何か)が出会うことが目的だったとするなら、それぞれに新しい出会いがもたらされたことだけは間違いない。何かを強制されることもなく、オーディエンスが過度に管理されることもなく、ボランティアや人々の想いに支えられたいい祭りだった。年を重ねるたびに、真ん中に貫かれた想いがどんどんまっすぐになっていくのが素晴らしい。
 会場入りする際に、ゴミを拾っているたくさんの人たちを観た。彼らはゴミはもちろんのこと、人や現実、そして自分にできることと出会っていたんだと思う。
 初日は小坂忠さんと演奏させてもらった。詳細を記すのは野暮だから止めておくけど、この経験は財産。あの「感触」を忘れることはないと思う。感謝。ハミングキッチンというユニットはとても好きだったから、今度必ずライヴに足を運ぶだろう。それから記憶が正しければ、ウルフル・ケイスケと二十年ぶりくらいに一緒に演奏した。奴の音もしっかり齢を重ねていた。
 二日目。keison君とセッションして、自分のソロのステージをやり、クレイジーフィンガーズの大人げない演奏(褒めてます)を聞き、古謝さんのほぼ人間の領域を超えた歌に涙して、再びハシケンやリクオ、出演者ほぼ全員と演奏して、会場を移動。その頃にはギターを抱えて歩く気力も失せていたが、スタッフの女の子があのクソ重たいギターを運んでくれた。最後にリクオ、ユカリさん、ピースケと「湘南パトロール(意味不明)」なるユニットを結成し、暴走して終了。終演後、素晴らしいDJのおかげで久しぶりにサルになって踊った。そのアホな光景を見つめる石嶺聡子さんの瞳が心に残っている。何の根拠もないけれど、彼女はもうすぐ萌芽するだろう。あんな瞳は滅多にあるものじゃない。

 当たり前だけれど、本当の意味での「連帯」とは、まずは個の「独立」ありき。たくさんのエネルギーをこの祭りからもらった。本当にありがとう。 

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by 山口 洋