奇妙な縁

2009/11/26, 19:10 | 固定リンク

11月26日 木曜日 晴れ 

 自分の廻りで、オレのコントロールできない奇妙な縁が渦巻いているのを感じる。それがギフトなのか試練なのか、その両方なのかもしれないけれど、自分から何かを画策したりすることなく、ただまっすぐに生きてみようと思う。オレにはそれしか出来ないから。

 街に戻った。マラソンの友、ヨシミとマラソンの師匠であるゲンちゃんに会いに行った。根掘り葉掘り、分からないことを質問攻め。ゲンちゃんは先のフルマラソンで遂に3時間の壁を破ったのだ。でも、ゴール直後に撮られた彼の姿を観て、愕然。あのサバンナのガゼールのように走るゲンちゃんが、生まれたての子鹿のようにうずくまっている。聞けば、ゴールの後、1時間くらいその場を動けないほど疲弊したのだと。恐ろしい。根性もののオレとヨシミはとにかく走るのだが、巻物にはオレたちのようにやれとは何処にも書いていない。ゲンちゃん曰く、距離を走ることも大切だが、それによってもたらされる身体のダメージの方がデカいのだと。それよりも、二人とも充分走るための足は出来ているだろうから、これからはスピードを身につけるための様々な練習に移行した方がいいだろう、と。何にせよ、相当な努力をしなければ、初心者のオレたちが初めてのレースで4時間を切るのは難しい。何でそこまでやるのと聞かれても、オレたちには走らなきゃいけない理由があるのだ。
 気になっていたことがあった。身体は無茶苦茶に引き締まっているのだが、体重の減少がいつになっても止まらない。このままだと、マラソンの前に骨と皮になってしまう。買い替えた洋服も既にガバガバになってきた。ゲンちゃん曰く、カロリーを消化した分だけ、喰わなきゃいけないと。炭水化物を中心に喰え、と。そっか、分かった。無理をしてでも喰おう。で、ゲンちゃんからモチベーションを上げるための罰ゲーム。彼はこの街でいい音楽が流れるバーをやっているのだが、もし4時間を切れなかったら、タイム分だけの無料シークレットライヴをやるのはどーすか、と。うう?走った挙げ句に罰ゲームは嫌だ。でも、ちょっと考えてみよう。
 それから彼は音楽をシャロン・シャノンに変えた。ああ、久しぶりだな。彼女にももう10年くらい会っていない。帰りしな、随分とご無沙汰しているアイルランドやドニゴールの友人たちのことを思い浮かべながら歩いた。そして、家に着いてメールをチェックしてびっくり。ドニゴールのローカル新聞からインタビューの申し込み。最近、オレにはこういうことが多過ぎる。本当に不思議なことが連鎖するのだ。

 今日はいつもの15キロにレースペース走を入れてみた。高地トレーニングの効果は抜群で、前より確実に速くなっていた。ついでに坂道ダッシュも開始した。毎日、走る話ばかりでごめんね。ちゃんと新しい音楽にも向き合ってるから、ご心配なく。

 写真はオレが勝手に実家だと思っている友人の家の風景。辰巳芳子さんが愛用しているすり鉢はこのようにして、ひとつひとつ電気を一切使わず手で作られる。圧巻。

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by 山口 洋