雲の上を走る

2009/11/25, 19:47 | 固定リンク

11月25日 水曜日 曇り 

 今日は東京に戻る日。朝6時に起きて、霧の中を走り出した。高地トレーニングも三日目になると、空気が清々しくて、キツさも和らいでくる。こうやって一歩一歩前に進むんだろう。自分の足の力で、峰に出た。そこにはこの季節特有の雲海が広がっていた。言葉を失った。眼下には一面に雲。そこに差し込む朝陽の光。神々しかった。オレは雲の上を走っていた。信じられなかった。昨夜は満天の星で、今日は雲海。オレは本当に恵まれてる。普段オレはいつもカメラを持ち歩いてる。でも、一眼レフは重いので、走る時には持っていない。毎日海辺を走るときも、沢山の美しい光景に出会った。でも、それは脳裏に刻むことにしてる。でも、この光景は忘れないように記録しておきたかった。雲海は刻々と姿を変えるのだ。間に合わないかもしれない。多分ギリギリだろう。家まで5キロ。ちょうどいい。レースペース走(レースのペースでぶっとばして走ること)をやってカメラを取りに帰ろう。延々と下りの道を1キロ4分台でぶっとばした。汗が吹き出してくる。あまりの暑さにシャツを脱いだ。上半身裸に下半身はウシ。でも走れるじゃん、オレ。家にたどり着いて、車で峰に行って、撮影したのがこの写真。残念ながら、あの神々しさはかなり失われていたけど。

 山での3日間。宇宙を感じた。そして話した。星とも話した。すべてに感謝した。自分にも感謝した。いいライヴも観せてもらった。願いも託した。身体も鍛えた。雲の上も走った。曲も書いた。やれることは全部やった。後悔なし。まっすぐに歩むだけだ。

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by 山口 洋