Still life with my GTR

2010/01/10, 16:12 | 固定リンク

1月10日 日曜日 晴れ 

 オレにギターを弾く喜びを今一度教えてくれたのは、おおはた君だった。彼と演奏しているのは本当に楽しかった。あれから、前より能動的に弾くようになった。ありがとね。最後に残ったのはGuildのD-35。いつでも部屋に置いてある。彼女は野生の馬。暴れん坊で、気性も荒い。20年を超えてつきあって、ようやく求めるどんな音でも出せるようになった。ふっとメロディーが浮かんで、彼女が情景を描いてくれる。そこに光が差して、ずんずんと前に進んでいく。言葉をぽろぽろと紡いでいく。カーペットを織っているような、そんな感覚。弾くことより、弾かないこと。隙間をあけておくこと。その方がずっと難しくて、やりがいがある。「Still life with my GTR」と云ったのはケヴィン・エアーズ。その言葉の意味が良くわかる。歌を書くのは溢れてくるからで、無理にひねり出そうとしても、ロクな結果を生まない。でも、溢れてきただけじゃ、ただの吐露。そこにいろんな色の糸を織り込んでいく。どこにたどり着くのか不明なその作業は苦しいけれど、楽しい。一番必要なものは、体力。それがなければ、続かない。心の底まで降りて、物事を見つめることには体力がいる。

by 山口 洋