音の滴、福岡にて

2010/06/25, 12:02 | 固定リンク

6月25日 金曜日 雨 

 いったいいつ建設されたのだろう?この古い能楽殿には、歴史と共に、言葉にできぬ「念」のようなものがたっぷりとしみ込んでいる。激しく降る雨が天井を叩く。それもひとつの音楽。このような場所ではそれに抗ってはいけない。歴史と共に、環境と共に、溶け込んでいくことだけを考える。PAチームはこの建物の響きを知り尽くしていて、何ひとつ注文を出すことはなかった。ありがとう。運営も完璧。心が無になってからは、ひとつひとつの音の滴まで愛おしく感じながら演奏した。自由だった。本当にありがとう。ワールドカップで寝不足の中、足を運んでくれて、ありがとう。愉しんでくれたかい?

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by 山口 洋