福岡にて

2010/09/20, 17:00 | 固定リンク

9月20日 月曜日 晴れ 

 運動を始めてから、移動中も眠れるようになってきた。ここぞと云うところで休んでおかないと、ツアーは乗り切れないから、試合に負けたボクサーみたいに、新幹線で眠る。「知床魂」の魚先生曰く、「みんな関門海峡を抜けて九州に入ると何かが変わるんよね」、と。僕らにそんな自覚はないけれど、そう云われればそうかもしれん。ひっきりなしに楽屋には誰かが来てくれるし、今現在、故郷を出たままになっているのに、こうやってみんなが忘れずに顔を見せてくれるのは嬉しいものです。ああ、墓参り行かなきゃとか、あのスタジオのおじさんに会いたいとか思うんだけど、何せ身体はひとつしかないから、不義理してごめんね。僕らの仕事は、今宵ミラクルな「光」を描くことだから。
 それにしても、各人のblog、面白いね。まったく視点が違うから。何か感じたことがあれば、それぞれに感想を送ってあげてください。

 はてさて。正直なところ、僕らのツアーはギリギリのところで成り立っているのです。映画の制作と同じで、コケるともう次はありません。だからこそ「本気の力」が出てくる。そんな側面もあります。たくさんのスタッフ達は大阪の終演後、寝ずにツアーバスで福岡に向かい、今日のライヴが終ったら、そのまま東京に戻るのです。つーか、大丈夫か、その強硬日程?そんな中、来てくれるオーディンエスの数が増えているのはとても嬉しいことです。種を蒔き続けてきた甲斐があったと云うか。みんなが額に汗して働いて、そのお金で貴重な休みの日にライヴに来てくれる。あるいはボックスを手にしてくれる。本当にありがとね。僕らは最後の一滴まで絞り出すだけです。
 ツアー中に、「ミーティング」の機会を設けなくても、音に関することはPA、ローディーチームが、映像に関することは映像、照明チームが、改善していってくれます。そのおかげで僕に関するモニター問題は素晴らしく改善され、前を向いていても、全員の演奏をほぼ100%把握することができました。そうするとバンドのエネルギーを全部まとめて、オーディンエスに放出し、返ってくるエネルギーを受け止めて、また送り返す。そのような事が可能になります。もちろんメンバーのうち3人の故郷ってこともあるんだろうけど、いいエネルギーの循環が出来ました。つーか、本当に愉しかったし、燃えたぜ、心からありがとう。楽しんでくれたかな?
 打ち上げの会場には渡辺圭一母が作った「がめ煮」がありました。それがね、美味かったの何の。博多のおふくろの味ですたい。感涙。さぁ、あと一本。燃え尽きるぜー。おー。

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by 山口 洋