クズに蕎麦

2010/09/25, 12:17 | 固定リンク

9月25日 土曜日 曇り 

 ダメだこりゃ。身体がクズ。全身を嵐が駆け抜けていった感じがして、何をする気も起きなかった。ランニングも今日は無理。そうだ、何か喰わなきゃ。ふと、ともだちのなおちゃんちの蕎麦が喰いたくなったから、古都まで出かけた。父ちゃん母ちゃんが蕎麦を作り、なおちゃんが給仕する。いいんだよ、その家族のぬくもりが。「おしながき」の手書きの文字を見ただけで、この人たちは心を込めて仕事をしとるのが分かる。テーブルには名もなき花が飾られてる。人をほんわかした気持ちにさせるのは、こういうことなんだねぇ。なおちゃん、本当に美味しかったよ。君の笑顔は人を元気にする。ありがとう。
 ロックンロール稼業は間違いなく肉体労働。ツアーはいろいろあるけれど、とてもやりがいがある。長年一緒に闘ってきた仲間は最高だよ。たまにはみんなを慰労したい、とか思う。温泉に行って、昼間からゴロゴロしてる、とか、キャンプに行って、それぞれの家族も交えて美味い酒を飲んでる、とか。とにかく終わると寂しい。でも、僕には次の仕事が待っている。魚さんと作ってるアルバムは佳境にさしかかってる。今日は一日だけ休んで、明日からそれに向かいますか。
 でもね、身体じゅうにエネルギーが満ちてる。たぶん、それはバンドやスタッフや、オーディエンスが僕にくれたものだ。それが「光」なんだと僕は思う。エネルギーをこの世に循環させることは「雪だるま」を作ることに似てる。「つぶて」にするのは難しい。でも、そこまで作ることが出来たなら、あとは転がしていくだけなのだ。僕の心の中にはもう「つぶて」がある。ありがとう。アゲイン。

by 山口 洋