結局、力技かよ。渋谷炎上、東京にて。

2010/09/24, 19:49 | 固定リンク

9月24日 金曜日 曇り 

 ツアー最終日。後は野となれ、山となれ。おそらく原因は湿気だろう。ステージの上の暑さは尋常じゃなかった。細かいメンバーのフィーリングが感じ取るのが難しかった。さて、どうする。次第に全員が「力技」のモードに切り替えていくのが分かった。それも半端じゃない「力技」。最後の一滴まで絞る、みたいな。がってん。そうですかい。じゃ、行きますかい。演奏は荒かったけれど、それぞれの音に込められた熱は尋常じゃなかった。誰もそんなことを口にはしないけれど、この世が生きるに値する場所だということを、それぞれの光がこの世を明るくするってことを持ち帰ってくれたなら、嬉しい。忙しい中、足を運んでくれてありがとう。心からありがとう。
 僕らのチームでなにがしかの組織に属している人間はほぼ居ない。みんな独立して生きている。「案ずるより生むが易し」。思いついたことは即実行してみる。無茶なアイデアを実現するために電卓をはじく。そして、誰かに注文を出すこともほぼない。互いを信頼しているから。このトシになって、人を信じることの意味が分かりかけてきた。本当のことを云えば、僕らほど「映像」が必要ないバンドは居ないと思う。だからこそ、映像チームは頑張ってくれた。僕は彼らにこう云ったのだ。「あ、光なんで、あとはよろしく」。ヒドい男だと思う。でも、理解しすぎると良くないのだ。素晴らしい仕事をありがとう。同行してくれたカメラマンの松本さんは演奏するように写真を撮っていた。「奴らがあんなに熱い演奏してるんだから、俺は撮るぜ」。顔にはそう書いてあった。僕は無駄な気迫が大好きだ。圭一が誕生日を迎えるので、ケーキが仕込まれていた。ひひ、ざまみろ、と思っていたら、僕の知らない演出があって、デビュー当時の事務所の社長が花束を持ってステージに上がってきた。まったくよう、オレは涙もろいんだってば。実のところハメられていたのは僕だった。少し前にも書いたけれど、この時代にお客さんが増えているのはとても嬉しい。意味のない試練は与えられず、本気で光を目指して走れば、必ず道は拓ける。少なくとも、僕はそう思う。オーディンエスはそれぞれにいい表情だった。たくさんの愛とエネルギーをもらった。本当にありがとう。新しいアルバム、もう少し待っててくれ。また会う日まで、どうか元気で。
 ツアーに関わってくれた人々に、この20年間支えてくれた多くのスタッフに、足を運んでくれたファンに、心からお礼を云います。ありがとう。デビューしてからのいろんなスタッフがレコード会社の垣根を超えて、たくさん来てくれた。ここまで来たら、行けるところまで行くよ。みんな、元気でな。

追伸
ボックス、楽しんでね。

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by 山口 洋