魂の再発見、そして転換すること
2010/11/11, 20:19 | 固定リンク
11月11日 木曜日 晴れ
編集者である悪友からメール。「ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』や『善悪の彼岸』を耽読したとき 以上のカタルシス、」だと。それはユングの「赤の書」。多分、僕の頭の中をずっと支配していて、言語化できなかった世界がここにある。欲しい。
http://www.junkudo.co.jp/THE_RED_BOOK.html
以下、無断で抜粋。
「外的なものから欲望が離れていくと、人は魂の場所に到達する。だが、もしその者が魂を見いださないと、空虚の戦慄が襲ってきて、 不安が様々に揺れ動いて鞭を打ち、絶望的に求め、盲目的に欲望し、この世界の空疎な物事へと追い立てられる。自分の限りない欲望に翻弄され、自分の魂から離れて見失ってしまい、二度と見つけることがない。あらゆることを追い回し、強引に自分のものにするけれども、自分の魂を見つけることはない。なぜならば魂は自分自身の内にしかないから。なるほど自分の魂は物の中や、人間の中にあるかもしれないけれども、盲目の人は、物や人間はつかんでも、その中にある魂をつかむことはできない。その人は自分の魂のことがわからない。どのようにしたら魂を人々や物から区別できようか。自分の魂は欲望自体の中に見いだすことができようが、欲望の対象の中にはない。欲望に支配されるのではなくて、欲望を支配しているならば、自分の魂に片
手をかけていることになる。なぜならば自分の欲望は自分の魂のイメージであり、表現だからである。
ある物のイメージを持っているなら、その物の半分は既に所有していることになる。世界のイメージは世界の半分である。
世界を所有していても、そのイメージを持っていない人は、世界を半分しか所有していない。なぜならばその人の魂は貧しくて、財産がないから。魂の富はイメージから成る。世界のイメージを持つ人は、世界の半分を所有する。それはたとえその人の人間性が貧しく、財産がなくてもである。しかし飢えは、魂を獣にして、その獣は自らを害するものを呑み込み、自らその毒に落ちることになる。私の友人たちよ、魂を養うことは賢明なことである。、さもなければ胸の内に竜と悪魔を育てることになる」。
うーん。言葉なし。この本、手に入れよう。
周囲は慌ただしく動いている。昨夜からカート・ヴォネガットのとある文章が頭から離れなかった。僕に生きる智慧を与えてくれた最高の作家だ。とあるロゴ・デザインを変更しようと考えていて、その図案が送られてきたのだけれど、それはヴォネガットが描いた「ass hole」の絵にそっくりだった。びっくりした。僕はその絵があまりに好きで、しばらくサインを求められると横にずっと描いていた。多分、何かが動き始めている。点どうしが線になりつつあるんだろう。闘ってきて、よかった。
今、僕の周囲で共に何かを作っている人々の間で、直近に引っ越しをしなければならないニンゲンが二名、昨夜隣が火事になって、家中水びたしになった人物が一名。深夜、火事になったとき、僕にメールが来たのだが、不思議と心配にならなかった。ああ、多分、転換期なんだ、と思ったのだ。多分、その直感は間違っていない。そして、僕の仕事場もとんでもないことになっている。僕のところは濡れていないだけで、ある意味火事場。ハウスダストにまみれながら、バンド30年分の有象無象の資料を整理している。これを機に、思い切ってモノを半分以下にしてしまおうと思う。
さて、本日の松本写真。
キャプション1 今回、バンド全員が映っている写真の中で、これが一番好き。
キャプション2 映像担当、mood films代表、渡辺太朗。僕のヒドい仕打ちに良く耐えてくれました。現在、新しいアルバムに呼応した映像作品を制作中。でも、あんた俺たちよりアーティストみたいだね。
キャプション3 グラフィック・デザイナー、スントー・ヒロシ、そして松本康男。この目を観てください。松本さんのカメラを借りて、撮影したのは僕。良く考えてみると、フォトグラファーのカメラのシャッターを押すって、デリカシーなさすぎだ。
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