from イタリア to インド

2010/11/05, 13:58 | 固定リンク

11月5日 金曜日 晴れ 

 街でそれを見かけて、恋をした。彼女はターコイズブルー。空まで飛んでいけそうだ。イタリア製の自転車。シンプル極まりないデザイン。走るために不要なものは一切付いていない。ドロップハンドルなのに、ギアさえない。スタンドもない。泥よけもなければ、ライトもない。素敵。これに乗って、リュックサックをしょって遠くの八百屋に大根を買いにいこう。ふと、意味不明な衝動を押さえられなくなって、買ってしまった。

 夜。スントー事務所で打ち合わせ。彼は今、イタリアの20州すべての食文化を紹介する雑誌を作っている。何故か、今日はイタリアづいてる。パラパラとその雑誌をめくる。市井の人々が作る、その土地ならではの料理。どれもモーレツに美味そうだ。打ち合わせ中、ずっとニンニクのみじん切りと鷹の爪を、エクストラ・ヴァージンのオリーブオイルで炒める匂いを感じている。居合わせた人々に「今、その匂いするよね?」と聞いてみるが、全員、応えは否。想像力ってすごいね。頭の中、殆どイタリア。でも、こんな時間にそれを食べさせる店は空いていない。仕方がないので、友達を誘って、インドの定食屋(本当にそんな店なのだ)でカレーを喰う。喰った途端にビバ、インド。絶妙な香辛料のバランス。「ありがとう、美味しかったよ」と云ったら、インド人の彼が、にかっと笑った。悪くなかった。

 ところで、先日発売になったデジタル写真集に付属しているでっかい写真。オリジナルサイズでB2大だって、知ってました?本日スントー事務所で実物を見て、そのデカさにびっくりしました。僕らが自分の家に自らの巨大ポスターを貼る訳がないのだけれど、デジタルのデータゆえ、それぞれの方法で楽しんでください。来週、スントー、松本、山口の三人組をインタビューし、それをネットで中継するという番組への出演依頼があって、ダダをこねる駄犬のように「嫌じゃー」と拒んでいたのですが、人生の先輩方に恫喝され、どうやら拉致されそうです。詳細は追って後日。アーメン。

by 山口 洋