ベンダ・ビリリその後

2010/10/12, 01:26 | 固定リンク

10月12日 火曜日 雨 

 ベンダ・ビリリを体験してから一夜明けても、何だか身体と心がジンジンしてる「初体験(すいません)」を済ませたばかりの私です。例えはどうかと思うけど、本当に、心のある部分のヴァージンを破壊されたと云うか、本当はそこに「それ」があることを知っていたのに、いつの間にかスポイルされていて、見ないフリをしていた部分を直撃されたと云うか。いい形容が見つかりません。って云うか、見つける必要もないのかも。踊って、笑って、号泣した。ただそれだけ。でもそれ以上に必要なことなんてあるのかな?彼らは僕をアラレもないサルにしてくれました。ハイホー。繰り出される怒濤のグルーヴに応える日本のオーディンス、それも老若男女。その光景も美しかった。なんだ、みんな音楽好きなんじゃん。どうして、僕らの音楽は受け入れられないんだろう?そう考える前に、ベンダ・ビリリみたいに本気で生きたのか、本気で魂から演奏したのかどうか。それが問題だ。失礼を承知で書けば、音楽のタイプとしては僕がモーレツに好きなものではない。でも、そんなことを木っ端微塵に打ち砕くだけの本気の音楽だった。揺さぶられた。彼らには必然があって、情熱がある。ハンディキャップは個性以外のなにものでもなく、楽器がなければ、それを作りだし、バンドとはこうあるべきだという見本のような集団だった。彼らは段ボールで寝る暮らしから這い上がり、確固たるホリスティック・ビューを持っていた。僕にとってはローリング・ストーンズより遥かに衝撃だ。世界はひょっとして信じるに足りる場所で、生きるに値する場所だってことを今更ながらに教えてくれた。後は自分の現場で闘わなければ。感謝MAX。
 ジャスティン・アダムス&ジュルデー・カマラ。このコンビも強力だった。ジャスティン・アダムスの立ち居振る舞いに自分と同じ匂いを感じたのだが、聞けば、彼はジョー・ストラマーがヒーローなのだと。なるほど。彼らの演奏が終ってすぐ、僕は物販コーナーに走って彼らのアルバムを買った。また観たい。そして僕はエレクトリック・ギターが弾きたくなった。あれは僕らにとっての民族楽器なのだ。本当だよ。
 そんなこんなで、あちこちからエネルギーをもらっています。スントー氏からイーノの新しいアルバムのジャケットと、この映像を教えてもらいました。うん、この世は生きるに値する場所だ。素晴らしい。

http://www.brian-eno.net/
http://www.youtube.com/watch?v=OET8SVAGELA

by 山口 洋