dirty old man

2005/10/11, 23:01 | 固定リンク

10月11日 火曜日 秋の風が吹く日 

 急に思いたって、ブコウスキーのドキュメント映画「オールド・パンク」を観に行った。世の中に「コイズミ・チルドレン」と云う言葉があるなら、さしずめ俺は「ブコウスキー・チルドレン」って事になる。脳味噌の隅々まで彼の言葉が染みとおっている(残念ながら、訳文だけど)から、ドキュメントの内容に目新しいものがあった訳ではない。けれど全編を通して、ギャグや毒舌よりも、もの哀しさが支配しているのは、おそらく制作者の意図であり、ある部分は彼の本質なのだろう、と秋の風に吹かれながら思った。親の資質をどのように受け継ぐかってことは、全ての人に通じる命題だと思う。否が応でもDNAに刻まれてしまった抗い難い部分、自分で変えられる部分、幼い頃に刻まれてしまったトラウマ、エトセトラ。何はともあれ、人は「愛」がなけりゃ生きられない。我がdirty old manの瞳の中に、子供の頃には決して出来なかったであろう「少年の目」を見つけて、「愛」ってすげぇ、俺は独りごちた。老人の瞳に輝く少年の光。それはとても美しいものだった。Don't try!

http://www.zaziefilms.com/bukowski/

by 山口 洋