5cm足らずの雪

2008/02/03, 16:03 | 固定リンク

2月3日 日曜日 雪 

 「2cm足らずの雪が化学の街、東京を一日で塗りかえる」。そんな歌を中学生の頃、聞いたなぁ。夜更けから降り積もる雪。飽きもせず朝までずっと見ていました。きっと北国の人々が聞いたら、笑ってしまうような積雪量なんだろうけど、都会の交通機関は限りなくマヒしています。脆弱だなぁ。
 
 10年以上に渡って、歌詞を書くと云う行為はコンピュータでやってきました。それ以前は文机に座って、Gペンで縦書きにこだわってたソングライターでしたが。昨夜、突然、アナログに戻りたくなったのです。理由は不明。そのうち分かるでしょう。特定の曲を書き始める前に、草稿、言い換えると断片のようなものが無数に存在します。それをアナログで書きたくなったのです。イタリア土産にもらった革の表紙のノートがありました。いつか、大事な時に使おうとずっと取っておいたのですが、time has comeかな、といつもの直感が私にそう申しました。初めて書き記した言葉は「冬の朝」でした。このノートに書くスペースが無くなった頃、次のアルバムは完成していると思います。

 もう随分と前のこと。同じレーベルに居て、おまけに担当ディレクターも同じっちゅーバンドが居ました。そのヴォーカリストと俺は、周囲からほぼ「キチガイ扱い」されていて、隣のスタジオでレコーディングしていても、ディレクターが青い顔をして、二つのスタジオを行き来するだけで、ほぼ会話を交わしたこともないっちゅー、奇妙な関係でした。お互いとんがってたし、今ならそんなことないと思うんだけどね。縁あって、彼等の新譜を聞きました。テレビで演奏しているのも観ました。何ちゅーか、奇妙な励ましを勝手に受け取ったような。「そっか、元気に暮らして、新しい歌書いてるんだ」ちゅーか。曲を書くのが苦痛だった時代もありました。けれど、今は「産みの苦しみ」なんて「苦しみ」とも呼ばないことに気付きました。幸福な仕事だと、俺は思います。きっと彼もそう思ってんじゃないか、と。

 週末に「the Rising」、楽しんでくれてますか?雪の日も心を熱くしてくれてるといいなぁ。

img08020003_1
by 山口 洋