マグロの解体ショー・横浜にて

2008/02/22, 01:57 | 固定リンク

2月22日 金曜日 くもり 

 トリオ・ツアー初日。横浜サムズ・アップにて。ライヴを観た友人が「まるでマグロの解体ショーみたいっすね」と云った。云い得て妙。確かに、その通りだと。フル・バンドのツアーは沢山のスタッフと廻る。いくら俺たちがパッケージショーじゃないと云っても、客席との距離もあるし、全ての音はPAを通して客席に届けられる。それはそれ。もちろん良さもある。ただ、このトリオツアーはもっとオーディンスの日常に近いところでやりたかった。それゆえのサムズ・アップ。飯も美味いし、酒も飲めるし、ホスピタリティーは完璧、そして何よりも俺の生ギターと歌以外はほぼ生音なのだ。いちおうマイクは立ってはいるが、ほぼ生音だ。生々しいにもほどがあるし、こういうライヴではバンドの力量を試される。俺たちの世代はこのようなハコからキャリアをスタートさせた。だから、原点に戻ったみたいで楽しめるはずだったのだが。何のかんの云って、先日のバンドのツアーで、我々も「近代の機材の恩恵」に慣れていたのだった。野生の勘が戻るまでしばしの時間を必要とした。ある意味ベリー初日。でも、オーディエンスはサッカーに例えるなら「攻撃が煮え切らない前半の後、妙にパスが繋がり始めて、たまにカウンターも喰らって、でも、後半2点くらい取って、ヒヤヒヤしながらも、スリルがあってえー試合やったな」ちゅー感じで楽しんでくれたんじゃないか、と勝手に想像する。だって、やってる俺がそんな気分だったもん。だからこそ、やりがいがあるし、もっと前に進みたくなるし、エトセトラ。「マグロの解体ショー」ちゅー言葉に納得するのであった。
 そんな訳で、トリオの「マグロ解体ショー」ツアー、次は静岡です。遊びに来んですか?本場だよ、マグロの。サムズ・アップのみなさん、本当にお世話になりました。このハコ、とっても好きなので、また来ます。みんなも、ここでの愉しみ方、共に創っていかんですか?何はともあれ、来てくれて、ありがとう。どうか、良い週末を。

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by 山口 洋