活字の宇宙

2010/10/27, 20:55 | 固定リンク

10月27日 水曜日 晴れ 

 本を読むのが何よりも好きだったけれど、訳あって、長い間遠ざかっていた。本屋に入っただけで、具合が悪くなるのだから仕方なかった。でも、ゆっくりとそれを欲するようになって、ようやく文字の宇宙に浸る。多分、言葉と云う意味では、僕の脳味噌はパサパサに渇いていたんだろう。スポンジに染み入るように言葉が風景として、身体に入ってくる。僕の仕事はできるだけ簡素な「言葉」をメロディーに乗せて、あるようで、ないようで、ある場所には実在する風景を描くこと。そこに新しい形で戻ってこれたのが嬉しい。神の手にヘッドスパを施されたあと、髪を切られながら、「事実と真実は、ある場合には別のものだ」という文章に出会って、視界がクリアに拓けていくのを感じた。悪くなかった。
 
 ウルフル・ケイスケが、とあるマラソンに出場するのだと。奴は8キロしか走ったことがなかった。だから一緒に走ってみた。僕も膝の具合がイマイチだし、ちょうど良かった。2匹で海沿いをゆっくりと15キロ走った。互いに若くてガリガリしてた頃、こんな日が来るとは思ってもいなかったけれど、愉しそうに走ってる奴を見てるのは悪くなかった。

by 山口 洋