生活を美しくする

2010/09/30, 17:34 | 固定リンク

9月30日 木曜日 雨 

 思うことがいくつか。ツアーを終え、魚さんとのアルバムの制作にメドが立ち、頭の中に浮かんだのは「そうだ、生活しよう」だった。つまり、僕の日々は「生活」よりほど遠かった。まずは「食事」をする余裕がなくなる。冷蔵庫に何かを買って保存しておく気持ちの余裕と時間がなくなる。そうすると、食するものは「餌」になる。大量の楽器だ、宅急便だ。部屋の中はぐちゃぐちゃになっていく。生活と云うより倉庫化する。エトセトラ。今日のような日に早起きして、一念発起して、まずは支払いから済ませ、どうにか「生活」のレベルまで巻き返そうとする。
 先日訪れた蕎麦屋さんの一輪ざしに飾られた花は、店のおかんが出勤途中に生えているものを摘んでくるのだと。それって「美しい生活」だよなぁ。ああ、お腹すいた。

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by 山口 洋  

speechless

2010/09/29, 21:58 | 固定リンク

9月29日 水曜日 曇り 

 僕と魚が作っている傑作のテーマは「timeless」で「speechless」。ライヴでレコーディングされた素材を元に、まずは僕が約1月かけて音を作り、それぞれのファイルを魚に投げかけ、彼が約2ヶ月かけて、とんでもないものに仕上げ、今日、遂に最初で最後の同じスタジオでの共同作業を施した。
 フロウは既に完璧。やろうとしているのは「ふりかけ」のような作業。勢い、僕らの専門以外の楽器が多くなる。バウランだとかベースだとか。僕は彼と何年一緒にやってんだっけ?演奏も早いし、判断も速い。とっとと作業は進む。そしてどんな楽器であろうとも、僕に用意されたマイクはちょー安価な名器、sm-57。それ一本のみ。長い年月の間に、僕らはさんざんいろんなことを試してきた。一本100万円を超えるものも使った。でも、たどり着いたのはこれだったのだ。あはは。さぁ、気持ちが盛り上がってきたぞ。この作品はコーフンを押さえられない。完成まであとちょっとだ。

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by 山口 洋  

プレシャスネス

2010/09/28, 02:29 | 固定リンク

9月28日 火曜日 雨 

 亡母、誕生日。そんな感慨に浸る暇もなく忙殺。もはや家族は死に絶えて、誰も居ないどころか、山口家絶滅の危機なのであるが、家族があるからと云って、即ち幸福でもないのだ、と周囲を見ていて思う。他人と比較することは何もない。アラーキーが奥さんや猫のチロに向けている視線が好きだ。愛だよ。実家が売りに出されるとき、撮った写真が出てきた。その視線がそんなに嫌いではなかった。大切なものは何も失われてはいない。男は母を失って、ようやく一人前と云う言葉があるが、その意味が分からないでもない。紆余曲折の末に、空にほのかに愛が浮かんでいるのなら、そんなに悪くもないじゃないか、と思う。こんな日は爆走するに限るのであるが、その時間がなかった。アーメン。

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by 山口 洋  

ハピネス

2010/09/27, 21:44 | 固定リンク

9月27日 月曜日 雨 

 外食に出かける時間も惜しいので、大量に豚汁を作って、腹が減ったらそれを喰い続ける。いい加減それに飽きてはきたけれど、新しい音楽に没頭できることは幸福だと思うのです。魚さんとの間でネットを介して毎日ファイルが飛び交っています。かなりの手応えを感じています。年内に出せるといいなぁ。

by 山口 洋  

次の場所へ

2010/09/26, 18:22 | 固定リンク

9月26日 日曜日 晴れ 

 ツアーの残務整理をしながら、魚先生と僕は新しいアルバムの宇宙の中に居ます。まったくもって慌ただしい日々だけれど、完成に向けて作業は進んでいます。

by 山口 洋  

クズに蕎麦

2010/09/25, 12:17 | 固定リンク

9月25日 土曜日 曇り 

 ダメだこりゃ。身体がクズ。全身を嵐が駆け抜けていった感じがして、何をする気も起きなかった。ランニングも今日は無理。そうだ、何か喰わなきゃ。ふと、ともだちのなおちゃんちの蕎麦が喰いたくなったから、古都まで出かけた。父ちゃん母ちゃんが蕎麦を作り、なおちゃんが給仕する。いいんだよ、その家族のぬくもりが。「おしながき」の手書きの文字を見ただけで、この人たちは心を込めて仕事をしとるのが分かる。テーブルには名もなき花が飾られてる。人をほんわかした気持ちにさせるのは、こういうことなんだねぇ。なおちゃん、本当に美味しかったよ。君の笑顔は人を元気にする。ありがとう。
 ロックンロール稼業は間違いなく肉体労働。ツアーはいろいろあるけれど、とてもやりがいがある。長年一緒に闘ってきた仲間は最高だよ。たまにはみんなを慰労したい、とか思う。温泉に行って、昼間からゴロゴロしてる、とか、キャンプに行って、それぞれの家族も交えて美味い酒を飲んでる、とか。とにかく終わると寂しい。でも、僕には次の仕事が待っている。魚さんと作ってるアルバムは佳境にさしかかってる。今日は一日だけ休んで、明日からそれに向かいますか。
 でもね、身体じゅうにエネルギーが満ちてる。たぶん、それはバンドやスタッフや、オーディエンスが僕にくれたものだ。それが「光」なんだと僕は思う。エネルギーをこの世に循環させることは「雪だるま」を作ることに似てる。「つぶて」にするのは難しい。でも、そこまで作ることが出来たなら、あとは転がしていくだけなのだ。僕の心の中にはもう「つぶて」がある。ありがとう。アゲイン。

by 山口 洋  

結局、力技かよ。渋谷炎上、東京にて。

2010/09/24, 19:49 | 固定リンク

9月24日 金曜日 曇り 

 ツアー最終日。後は野となれ、山となれ。おそらく原因は湿気だろう。ステージの上の暑さは尋常じゃなかった。細かいメンバーのフィーリングが感じ取るのが難しかった。さて、どうする。次第に全員が「力技」のモードに切り替えていくのが分かった。それも半端じゃない「力技」。最後の一滴まで絞る、みたいな。がってん。そうですかい。じゃ、行きますかい。演奏は荒かったけれど、それぞれの音に込められた熱は尋常じゃなかった。誰もそんなことを口にはしないけれど、この世が生きるに値する場所だということを、それぞれの光がこの世を明るくするってことを持ち帰ってくれたなら、嬉しい。忙しい中、足を運んでくれてありがとう。心からありがとう。
 僕らのチームでなにがしかの組織に属している人間はほぼ居ない。みんな独立して生きている。「案ずるより生むが易し」。思いついたことは即実行してみる。無茶なアイデアを実現するために電卓をはじく。そして、誰かに注文を出すこともほぼない。互いを信頼しているから。このトシになって、人を信じることの意味が分かりかけてきた。本当のことを云えば、僕らほど「映像」が必要ないバンドは居ないと思う。だからこそ、映像チームは頑張ってくれた。僕は彼らにこう云ったのだ。「あ、光なんで、あとはよろしく」。ヒドい男だと思う。でも、理解しすぎると良くないのだ。素晴らしい仕事をありがとう。同行してくれたカメラマンの松本さんは演奏するように写真を撮っていた。「奴らがあんなに熱い演奏してるんだから、俺は撮るぜ」。顔にはそう書いてあった。僕は無駄な気迫が大好きだ。圭一が誕生日を迎えるので、ケーキが仕込まれていた。ひひ、ざまみろ、と思っていたら、僕の知らない演出があって、デビュー当時の事務所の社長が花束を持ってステージに上がってきた。まったくよう、オレは涙もろいんだってば。実のところハメられていたのは僕だった。少し前にも書いたけれど、この時代にお客さんが増えているのはとても嬉しい。意味のない試練は与えられず、本気で光を目指して走れば、必ず道は拓ける。少なくとも、僕はそう思う。オーディンエスはそれぞれにいい表情だった。たくさんの愛とエネルギーをもらった。本当にありがとう。新しいアルバム、もう少し待っててくれ。また会う日まで、どうか元気で。
 ツアーに関わってくれた人々に、この20年間支えてくれた多くのスタッフに、足を運んでくれたファンに、心からお礼を云います。ありがとう。デビューしてからのいろんなスタッフがレコード会社の垣根を超えて、たくさん来てくれた。ここまで来たら、行けるところまで行くよ。みんな、元気でな。

追伸
ボックス、楽しんでね。

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by 山口 洋  

アンディーからの手紙

2010/09/23, 16:05 | 固定リンク

9月23日 木曜日 雨 

 急に寒くなったねぇ。今日はトレーニングスーツに着替えて走ることにします。明日、ライヴに来てくれる人は風邪ひかないようにね。

 さて。僕が心から敬愛しているアンディー・アーヴァインが10年振りのソロアルバムを送ってくれました。ツアー中の上がった気分を穏やかにしてくれる、それはそれは素晴らしい音楽でした。永遠のトラベリン・マン、アンディーじゃなけりゃ、こんな音は奏でられないし、盟友ドーナルの仕事も素晴らしい。旅と共に奏でられた音楽。ふーっ。いつだったか、彼は吹雪の中、僕の山の家に来てくれたことがあって、さんざん飲んだくれて、僕が爆死していた朝、彼がぽろんぽろんとつま弾くブズーキの音で目を覚ましました。至福と云うか、何と云うか。こうやって彼はずっと旅をしてきたんだ、と。ところで、そのアルバムが入った封筒に貼られた切手にはプランクシティーのアンディーが描かれていました。おーっ、アンディー切手だよ。とにかく、ありがとう。とっても嬉しかった。今年こそ、会いに行くかんね。

 はてさて。明日でツアーも最終日です。寒かろうが、雨が降ろうが、来てください。最後の一滴まで絞ります。それぞれに「光」を持って帰ってください。みなさんに会えるのを愉しみにしています。

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by 山口 洋  

その20年

2010/09/22, 14:26 | 固定リンク

9月22日 水曜日 晴れ 

 記録によると、僕らがデビューしたのは1990年9月21日。つまり、昨日でちょうど20年を迎えたことになるんだそうです。そのようなことを誰も口にしないとか、まったく気にしていないとか、「それがどしたん?」的にフツーにツアーを続けていることが僕は好きです。このような場合、ゲストを呼んで祭りを催すことが多いのですが、まったくもって、誰ひとりそんなことを云い出す輩は居らず、頭に去来しているものはどうやって前に突き進むのか、ただそれだけ。続けることが一番難しいこの世界で、その力こそが推進力だったのだと、今となっては思います。
 昨日、飛行機の中で、魚先生と次のアルバムをどのように創るか、じっくり話し合いました。その方法は画期的なものでした。僕らはもうレコーディングスタジオには行かないのではないか、と思います。ようやく来年こそは、それが実現できると思います。つまり頭の中はそのようなことで一杯なのです。ツアーはあと一本、東京を残すのみです。バンドは確かに2010年のグルーヴを奏でています。是非、見に来てください。

by 山口 洋  

移動日

2010/09/21, 18:01 | 固定リンク

9月21日 火曜日 晴れ 

 はてさて。昨日までの余韻は胸の中に。飛行機に乗って、ビューンと東京に戻りました。じゃ、海沿いの道を走ってきます。

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by 山口 洋  

福岡にて

2010/09/20, 17:00 | 固定リンク

9月20日 月曜日 晴れ 

 運動を始めてから、移動中も眠れるようになってきた。ここぞと云うところで休んでおかないと、ツアーは乗り切れないから、試合に負けたボクサーみたいに、新幹線で眠る。「知床魂」の魚先生曰く、「みんな関門海峡を抜けて九州に入ると何かが変わるんよね」、と。僕らにそんな自覚はないけれど、そう云われればそうかもしれん。ひっきりなしに楽屋には誰かが来てくれるし、今現在、故郷を出たままになっているのに、こうやってみんなが忘れずに顔を見せてくれるのは嬉しいものです。ああ、墓参り行かなきゃとか、あのスタジオのおじさんに会いたいとか思うんだけど、何せ身体はひとつしかないから、不義理してごめんね。僕らの仕事は、今宵ミラクルな「光」を描くことだから。
 それにしても、各人のblog、面白いね。まったく視点が違うから。何か感じたことがあれば、それぞれに感想を送ってあげてください。

 はてさて。正直なところ、僕らのツアーはギリギリのところで成り立っているのです。映画の制作と同じで、コケるともう次はありません。だからこそ「本気の力」が出てくる。そんな側面もあります。たくさんのスタッフ達は大阪の終演後、寝ずにツアーバスで福岡に向かい、今日のライヴが終ったら、そのまま東京に戻るのです。つーか、大丈夫か、その強硬日程?そんな中、来てくれるオーディンエスの数が増えているのはとても嬉しいことです。種を蒔き続けてきた甲斐があったと云うか。みんなが額に汗して働いて、そのお金で貴重な休みの日にライヴに来てくれる。あるいはボックスを手にしてくれる。本当にありがとね。僕らは最後の一滴まで絞り出すだけです。
 ツアー中に、「ミーティング」の機会を設けなくても、音に関することはPA、ローディーチームが、映像に関することは映像、照明チームが、改善していってくれます。そのおかげで僕に関するモニター問題は素晴らしく改善され、前を向いていても、全員の演奏をほぼ100%把握することができました。そうするとバンドのエネルギーを全部まとめて、オーディンエスに放出し、返ってくるエネルギーを受け止めて、また送り返す。そのような事が可能になります。もちろんメンバーのうち3人の故郷ってこともあるんだろうけど、いいエネルギーの循環が出来ました。つーか、本当に愉しかったし、燃えたぜ、心からありがとう。楽しんでくれたかな?
 打ち上げの会場には渡辺圭一母が作った「がめ煮」がありました。それがね、美味かったの何の。博多のおふくろの味ですたい。感涙。さぁ、あと一本。燃え尽きるぜー。おー。

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by 山口 洋  

大阪にて

2010/09/19, 02:07 | 固定リンク

9月19日 日曜日 晴れ 

 演奏しながらずっとオーディンエスの表情が移り変わっていくのを観ていた。それぞれに、それぞれの何かがあって、相対的に云って、みんなの表情がそれぞれに良くなっていくのが嬉しかった。楽しんでくれて、心からありがとう。沢山の人たちがボックスを手にしてくれて、ありがとう。また会う日まで、どうか元気でね。多謝&再見。

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by 山口 洋  

大阪の街を走る、移動日

2010/09/18, 17:48 | 固定リンク

9月18日 土曜日 晴れ 

 バンドとスタッフは名古屋に居残りの池畑さんを除いて、渋滞の名神を抜けて、大阪に入りました。某SFUの中川敬から電話があって、「今日ライヴやから来いへん?」とのことだったので、ホテルからちょうど5キロくらいだし、ひとっ走り行ってくるかと走り出したはいいものの。ホテルを出た途端、ヴィトンだのディーゼルだのエルメスだのスワロフスキーだの。こ、ここは表参道かい?浮いてること、この上なし。でも、そんな事でメげる原人ではございません。梅田に向けて御堂筋を北上し、中之島公園にさしかかったところで、チャリに轢かれそうになり、「ふーむ、どうやら大都会を走るのは危険らしい」と。中の島公園をグルグルと10キロ走って帰ってきました。な、訳で行けなくてごめんね。
 明日は某SFUと同じく、旧バナナホールにてライヴです。感慨深し。大阪炎上間違いなし。是非。

 写真の人物は渇いた男、松本康男さんです。僕とスントー・ヒロシと彼の三つどもえによる「北京大喧嘩事件」は語り草になっております。昨夜、彼はこう云いました。「山ちゃん(僕のこと)のあの草むらの写真いいねぇ。雑木林、セクシーだよねーー、俺、美しい森なんてぜんぜん燃えないんだよねー」。ごもっとも。

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by 山口 洋  

ザ・ベリー初日、名古屋にて

2010/09/17, 15:55 | 固定リンク

9月17日 金曜日 晴れ 

 名古屋っす。初日っす。ステージに上がるまで何が起きるか誰にも分からないのだけれど、バンドが何の決めごともなく、全員が全員の音を聞いて、瞬時に判断を下し、それらが有機的に絡まって高みに昇っていくことを感じてもらえたと思います。僕らと同じくオーディンエスの日々もスポンテニアスなものだと思うから。今回は映像チームもその「ほぼアドリブ」の世界に巻き込まれています。フツーそんなことあり得ないんだけどね。僕は前を向いてるから何が背後に投影されているのか分からないんだけれど、それぞれの表情で楽しんでくれている客席の表情を見るにつけ、こりゃうまく行っとるわい、ってことを確信しました。来てくれて、ありがとね。ボックスも合わせて楽しんでください。
 いつもは宿に帰って、このblogを更新するのが僕の役目なのですが、今回は4人も書いてくれてるからねー。楽ったらありゃしない。カメラぶっ壊れ、眼鏡ぶっ壊れ。いろんなものが壊れたり、早起きしたり、大変な一日だったけれど、よか日でした。

写真のキャプション
1. 映像チームの仕事、楽しんでくれてますか?
2. 僕のイヂメにめげず、頑張っている映像チームの大将、渡辺太朗。ちょっといい男に撮りすぎたな。
3. 楽屋で魚さんのiphoneによってゾンビにされてしまった山口洋。

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by 山口 洋  

ボックス出来たぞー

2010/09/16, 19:02 | 固定リンク

9月16日 木曜日 雨 

 九月の雨の木曜日。入魂のボックスセット、完成して僕の手元に届きました。こうして、時空を超えて、またみなさんに新しい形で聞いてもらえることを本当に嬉しく思っています。さぁ、明日からツアー。会場で会おう。

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by 山口 洋  

後は野となれ山となれ

2010/09/15, 15:01 | 固定リンク

9月15日 水曜日 雨 

 涼しいっすね。ニンゲンは勝手なもので、あれだけ「暑い」と云っていたにも関わらず、こうなるとミューに寂しくなったりします。はてさて、リハーサルを含め、やるべきことは全部やりました。後は野となれ、山となれ。ヒートウェイヴ、結成31年、デビュー20年の底力、是非観に来てください。バンドは「未だ」前進しています。あとはステージに上がってみないと分かりません。生き物ですから。今までいろいろとアナウンスしてきたことをまとめておきます。

1. ソニー時代のボックスセット
 会場で確実に手にしてもらうことができます。僕も現物をまだ目にしていませんが。音源は全て2010年の技術をもって、僕の立ち会いのもと、リマスターされています。20年経過しても、まったく色あせていない、と云うより、現代にこそ必要な音であることが分かってもらえると思います。付属のDVDの音もライヴ部分は僕がリマスターし、その音に差し替えてあります。できればデカい音で楽しんでください。ブックレットはスントー・ヒロシの監修及びデザインのもと、敏腕書籍編集者S君により、素晴らしい仕上がりになっています。読み物としても、充分に楽しめます。オリジナルジャケットも、単なるスキャニングではなく、フイルムが残っていたものはそこから作り直しているので、文字通り「色あせて」いません。僕の車のCDプレイヤーにはこのひと月の間、クリス・レアの5枚組のボックスが入りっぱなしなのですが、このように長い間楽しんでもらえると思います。せっかくなので、希望するオーディンエスには終演後僕がシリアルnoを入れることも考えています。そんなことをするのは「no regrets」以来ですが、それだけ気持ちが入っていると理解してください。おそらくソニー時代のCDを入手できるのはこれが最後の機会になると思います。決して安くはないけれど、家族会議を開いて、手に入れてください。

詳細はこちらに
http://www.five-d.co.jp/heatwave/news/100617/index.html

2. グッズなど

 はい。今回もスタッフ含め、気合い入ってます。素晴らしい仕上がりです。僕がいろいろと書くよりも、詳細はこちらを。こだわりの制作過程も記されています。今回初めて制作されたリング。さすがにギターを弾くときは外していますが、気持ちが上がります。ありがとう!!!
http://www.five-d.co.jp/heatwave/news/100926/index.html

3, blog

 今回のツアーは僕のblog、渡辺圭一の「たまけん」及びツイッター、ドキュメントの撮影で帯同してくれるフォトグラファーの松本康夫さんの特設blog(彼とがっつりやるのは伝説の1997年北京以来です。ひひ)、映像チーム「mood films」のblog、合計5つの視点からアップされます。楽しんでください。

渡辺圭一の「たまけん」 http://d.hatena.ne.jp/tamaken2009/
渡辺圭一の「ツィッター」 http://twitter.com/w_keiichi
フォトグラファー松本康夫の特設ツアー同行blog http://d.hatena.ne.jp/hw_live_docu/
mood films代表、渡辺太朗のblog http://subterranean-mood.blogspot.com/

4, 映像

 今回のツアーではmood filmsによって映像が使われます。彼らには全幅の信頼を置いているので、僕らも愉しみにしています。昨日、書きましたが、開演15分前に「会場でしか見ることができない」映像を流します。これ一回きりです。楽しんでください。

 じゃ、会場で会おう。相変わらず僕のカメラはぶっ壊れ中なので、先日の江ノ島での写真を。送ってくれて、ありがとう。聡子ちゃん、かわいいーー。こんな妹欲しい(無理です)。

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by 山口 洋  

リハーサル最終日

2010/09/14, 02:30 | 固定リンク

9月14日 火曜日 雨 

 リハーサル最終日。僕らの自由度は過去最大かつ最強。誰も何処に行くのか分かりません。渡辺圭一は最大にぶっ壊れてるし、池畑さんの聞いたこともない凄まじいフィルを聞いてしまったし、魚さんはもの凄い鍵盤を弾いてました。全員、信頼しつつ、確たる暴走中。素晴らしい。エクセレント、ブリリアント。
 みなさんにアナウンスしたいことがあります。今回、sony時代のボックスセットが発売になります。その中に「権利関係」云々で収録できなかった映像があるとです。僕の外国放浪時代の貴重な映像です。あの場所で、あの曲を、みたいな。レコード会社が「権利云々」で怖がるのは良く理解できます。僕もいちおう「大人」ですから。でもね、よーく考える度にフツフツと怒りがこみ上げてくるとです。いったい、何のための「権利」なのか、と。「権利」が僕らを守ってくれたことがない、とは云わないけれど、プロになって20年。その「権利」は机の前にふんぞり返ってる連中の「既得権益」をよりごうつくばりに獲得するために存在してることが殆どじゃないか、と。僕はデカい声で云わせてもらいます。机の上から世界を見ている奴は信用しません。「手を汚せ」と。つーか、せっかくboxが出るのに、この映像が闇に葬られることの方が遥かに損失ではないか、と。なので、「強硬突破」します。ですが、残念ながら、作品の中に収録することは出来ません。密かにyoutubeにアップするような、姑息なこともしません。みなさん。この映像が見たければ、開演の15分前に会場に来てください。そこで、一回限りの強硬突破上映を行います。それが僕らに出来る最大の抵抗です。それを見たなら、心の中に留めておいてください。あるいは忘れてください。決してblogなんかに、あの曲をあの会場でやってたなんて書かないでください。後々面倒くさいので。な、訳でそんなことも、愉しみにツアーに来てください。そんでもって、僕らが描く「光」を持って帰ってください。
 僕のカメラのレンズがぶっ壊れて、マクロ撮影しかできません。そんな訳で、今日は普段見ることができない、男たちの道具のクローズアップをお届けします。まずは渡辺さんのぶっ壊れ系足下の一部。それから魚さんの「兵器」。彼の多くの武器は「自作」です。そして最後に我らが池畑さんの50年代のラディックのスネアドラム。このヘッドを見てください。僕らが叩くと瞬時にヘッドはケーシー高峰の肌のように「あばた」化します。いかにミラクルな力の抜き方で叩かれているのか分かると思います。
 では、ツアーの会場で待ってます。 

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by 山口 洋  

リハーサル3日目

2010/09/13, 21:57 | 固定リンク

9月13日 月曜日 晴れ 

 リハーサル3日目。今日からは全ての楽器を持ち込んでの本格的なリハーサル。バンドはしばらく会わなかった間に、それぞれの経験がプラスに働いている云うか、演奏の自由度が格段に増しています。多くを語る必要は一切なし。長い間続けていると、いろんな時期があるのだけれど、「自由期」。確かに2010年にしか出せない音が鳴っています。素晴らしいす。ツアー、迷わずに足を運んでください。セットリストは似たようなものになると思うけれど、演奏は各会場でまったく違うでしょう。その力の一旦を握っているのが、オーディエンスのみなさんです。
 閑話休題。
 運動のせいで体質が随分変わってしまったようで、困ることがいくつか。新陳代謝が良くなりすぎて、ものすごい量の汗をかくのです。手からも。そんな訳で、ギターの弦がワンステージ持ちません。後半は弦が死んで音が伸びなくなってきます。こりゃ、弦の種類、変えなきゃダメかも。それから、スタジオで「暑い」と感じているのはどうやら僕だけの模様。なので、ここでも上半身裸です。まったく、もう。半ズボンにポロシャツ(涼しいから)でスタジオに現れたら、渡辺圭一に「何か、ゴルフ帰りのおっさんみたいやね。首にカーディガンとか巻いて欲しい」とか何とか。プンプン。
 第三次エフェクターブームがスタジオに到来中。演奏そっちのけで、全員がいろんな新兵器を試しています。つっても、確たる知識があるのは魚先生とローディー君チームのみで、僕と渡辺圭一は「あーだ、こーだ」云いながら使ってみてるだけですが。この写真のエフェクター、久しぶりに「欲しい」と思いました。エグいです。ルックスもgood。魚先生の持ち物です。

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by 山口 洋  

やるせない夜は

2010/09/12, 21:20 | 固定リンク

9月12日 日曜日 晴れ 

 ゆっくりとゆっくりと、時間をかけて走るとです。一歩一歩を確かめながら。身体からいつもと違う汗が出てきます。はぁ、とため息をついて、走り終えたとき。出てきた言葉は「i believe in you」。いつまでスタジオで音楽に没入できるのか、ステージに立ち続けることができるのか。それは誰にも分かりません。だから、目の前のことに全力を尽くす。ただ、それだけです。ツアーでみなさんに会えるのを愉しみにしています。心から。

撮影 bariちゃん

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by 山口 洋  

江ノ島にて

2010/09/11, 14:57 | 固定リンク

9月11日 土曜日 晴れ 

 僕が何かを語るより、この写真を観てもらった方がいいか、と。bariちゃん、写真送ってくれて、ありがとう。
 明日からツアーのリハーサルに復帰です。みんな、来いよー。

 撮影 bariちゃん

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by 山口 洋  

おふとんの国

2010/09/10, 14:08 | 固定リンク

9月10日 金曜日 晴れ 

 ビール、飲み過ぎ。でも、愉しい酒だったから、たまにはいいか。ウルフルケイスケが某マラソンに出場するとのことで、ときどき一緒に走ることにしました。ひひ、書いちゃったぞケイスケ、もう逃げられんぞー。久しぶりに「おふとんの国」の住人を満喫しました。ギターの整備をしたり、書きかけの曲に取り組んだり、明日演奏する曲を身体に入れたり。今日は秋の風が吹いています。明日はおおはた君とも演奏します。彼と何度ステージに立っても、毎回違うものにしかならないので、愉しみにしています。写真は先日の横浜のもの。

 photo by Ohiki Daisuke(オフィス・インテンツィオ)

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by 山口 洋  

イベントのリハーサル

2010/09/09, 18:53 | 固定リンク

9月9日 木曜日 晴れ 

 しかし、昨日までのスタジオとの空気の違いは何ですかね?最初に現れたのは石嶺聡子ちゃん。彼女が声を出した途端、その場所が清涼感に包まれる。声が美しいってのはそれだけで才能です。しかし、二人きりの演奏ってのは照れる。目のやり場に困る。聡子ちゃん、遠いところまで来てくれて、ありがとね。君の声が鳶に届くように、心を込めてギターを弾きます。
 しかし、アゲイン。続いて現れたのは上原ユカリ(ボクは隊長と呼んでます)さん、Pスケ(もはや黒すぎて、国籍不明)、寺岡くん、リクオ。うっ(嗚咽)。男臭い。僕が一番涼しい(意義なし)。途端にスタジオの中の空気は中学の部室と化す。とどめにウルフルケイスケが来たところで、もはや逃げ場がなくなる。嗚呼、暑苦しかった。でも、演奏はまったくもって素晴らしいので、どうぞご安心を。
 では、ケイスケと晩夏のビールで乾杯だ。おーっ。
 写真を撮影したのはリクオ。一眼レフがこんなに似合わない男を初めて観たぞ。ボケボケやんけー。

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by 山口 洋  

嵐のような一日、リハーサル2日目

2010/09/08, 02:25 | 固定リンク

9月8日 水曜日 雨 

 まるで、今日の台風のように嵐のような一日。スタジオの行きしな、信号待ちの間に車のサンルーフ越しの水滴を撮った。宇宙だった。スタジオに着いて、あんなことも、こんなことも試してみる。みんな、歴戦の強者。「合奏」と云う言葉そのままに。空白の時間は本当に音楽が埋めてくれる。何も語る必要なし。僕はカチカチに固められた音よりも、適度にいい加減な音の方が好きだ。どのようにも変化してくれる。ただ、そこには背骨のように「まっすぐに」何かが通っていなければ、タダのチャランポランな音にしかならない。その背骨を通すためにリハーサルの時間があると、僕は思う。それを感じたから、必要以上に音を出すことはしない。後はどのみち、ステージに上がってみなけりゃ、何も本当のことは分からないんだし。「風が吹いてきた」と昨日書いたけれど、そのようなオーラを放ってさえいれば、事は勝手に動き出す。作為じゃダメだ。僕が尊敬しているカメラマンの松本さんがツアーに帯同してくれることになった。「何で?」と野暮な質問をしたなら、「撮りたいから」。理由はそれで十分だと思う。このツアー。僕のblogと渡辺圭一の「たまけん」と松本さんの写真で多角的に同時進行で語られると思う。まったく違った角度から。オーディエンスがどのようにも受け止めることができる。それが僕らにとってのエンターテイメント。愉しみにしていてください。未だ、僕らのツアーが何処にたどり着くのか分からない。でも、それがちょっと怖くて、愉しい。僕らが楽しんでいないことをユーザーが楽しめる訳がない。僕らの行動の基本はそこにあります。昨日、書いた魚さんとのアルバム。元はすべて、二人のライヴ音源から作られています。ライヴの素材だから、ヘクった場所もある。でも、それを超してあまりあるだけのリアリティーが確かにそこには刻まれているのです。必要は発明の母。このツアーは、きっと何かをもたらしてくれる。だから、記録したい、表現したい。そのような輩を拒む理由は何処にもないのです。是非、足を運んでください。2010年に僕らが掴んだ「光」を届けたいのです。いつものように根拠のない確信だけはたっぷりとあります。それは多分、人を信じるエネルギーだと思います。船に乗った以上、信じるしかないのです。
 リハーサルを終えて、渡辺圭一を都内某所まで送って、腹が減って、低血糖でフラフラでした。いかん、このままじゃ運転できん、と。僕は飯屋に飛び込みました。喰ったところまではいいが、鍵がない。今日の雨に鍵がない。どこかで落としたらしい。アーメン。携帯もギターもコンピュータも、何もかも車の中。家のスペアキーは持っていないし。車をとめた場所から目を皿のようにして探しても、見つからず。どーすんだよ、俺。帰って、明日のリハーサルの曲も覚えなきゃなんないのに。ふむ。こういう時はゆっくり考えてみよう。交番に行こう。僕は今まで拾ったものを(当たり前だけど)in my pocketしたことなんかない。さぞ困ってるだろうな、と出来る限りの対応はしてきたはずだ。大都会の交番に行ったけれど、おまりさんはパトロール中。そこに警視庁への直通電話があって、「かくかくしかじか、僕は鍵をなくして、困っています」。そう伝えたなら、「渋谷のハチ公前の派出所にそのようなものが届いています、行ってみてください」と。うーん、それが僕の鍵だったらいいな、でも途中でそれは僕の鍵なのだ、と勝手にストーリーを描いてみた。果たして。そこに届けられていたのは僕の鍵だった。おまわりさんに「届けてくれた方にお礼がしたいんです」、と。でも「その方はそのようなことを望まれてはいませんのでお伝えできません」と。僕は感謝した。人生って面白いなぁ。巡り巡って、逆の立場でそのような時がやってくる。根拠もなく確信だけはあったのだ。きっと、届いているだろう、と。僕の鍵を拾って、忙しい中、届けてくれてありがとう。本当にありがとう。何のお礼も出来ないけれど、僕が何かを拾ったとき、あなたのような行動を取ろうと思います。世の中、捨てたもんじゃないね。

 な、訳でカメラの中の入っていた写真はすっとんきょうな誰かが撮影した僕の写真だけでした。お許しを。

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by 山口 洋  

確かな風が吹いてきた、リハーサル初日

2010/09/07, 01:15 | 固定リンク

9月7日 火曜日 晴れ 

 何の根拠もなく、今週、風が吹いてくるだろう。そう思っていた。でも確信はあった。いつもの直感ってやつだけど。素晴らしい一日だった。願わくば、一日が30時間くらいあれば。

 さて、リハーサル。走ってから行こう。サプリメントを止めてから、食事には気をつけるようになった。何せ、喰うもので、全ての栄養を取らねばならないので、かなり面倒くさいが、この頃、不足しているものは、勝手に身体が欲するようになってきた。つくづくニンゲンは良く出来ていると思う。果物も大切な栄養だが、今まで僕は殆ど食べなかった。何せ、皮を剥くのが面倒くさい。でも、100%のグレープフルーツジュースを一日に2リットル飲まなきゃ生きていけなくなったし、果物売り場を観ると、「お、桃、美味そう」と思う自分がおかしい。
 走り出す前に、好物の「しらすおろし」を喰っていた。累々と釜茹でにされた「カタクチイワシ」の子供たちの死体がそこに横たわっている。僕は高知の「ゆずぽん酢」をその死体にぶっかけて、命を頂く。美味い。本当にごめんね、そしてありがとう。あんた達の未来を強奪したことは無駄にしません。つい、忘れるのだ。僕らの生は無数の「死」の上に成り立っていることを。究極を云えば、自分の手でその命を奪えないものは喰いたくない。里山の青年(20歳)は修行中にイノシシをシメる方法を学んだのだ、と。逞しい。僕は無理だ。だから、喰うべきじゃない。山の家の近くに、昔から住んでいる原住民の皆さんの最高の贈り物は「野生の鹿の足一本」である。もちろん毛と皮つき。もらったことある?ニンゲンとして、その厚意は無駄にはできないのだが、ヘタレの僕は困惑する。

 久しぶりにバンド全員が揃った。(魚さんは写真に映ってないけど、元気です)空白の時間は音楽が埋めてくれるので、くだらない話をしつつ、リハーサルは進む。しかし、我が事ながら、いいバンドだと思う。バランスが絶妙だ。お互いを知りすぎないところにとどめて、続きは明日に。確かに風は吹いている。

 そういえば(忘れるな)、魚さんとアルバムを作っていたのだ。僕の作業を随分前に終えて、彼に丸投げにしてあった。それが今日、魚さんから戻ってきた。たくさんの曲が収められたCDRはケースにさえ入っていなかった。裸だった。スタジオから家までの約一時間、僕はそれを爆音で聞きながら帰った。このまま僕の車は高速道路を離陸して、宇宙に飛んでいきそうだった。素晴らしいにも程があった。人生最高傑作が出来つつある。嗚呼、直感はこのことだったのか。この音楽はどのジャンルにも属しないと思う。それがゆえ、話題にもならず葬り去られる危険性もある。これまで培ってきた全ての力を結集して、この音楽を世界に届ける努力をしようと思う。っていうか、その前にツアーだろ。脳味噌は創造力で満ち満ちている。あまりにも多くのことを短い時間でこなさなければならない。でも、考え方を変えるなら、すべては繋がっていると思うのだ。ああ、生きてて良かった。

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by 山口 洋  

音楽三昧

2010/09/06, 21:39 | 固定リンク

9月6日 月曜日 晴れ 

 明日は久しぶりにバンド全員が顔を揃えるのです。軽めのリハーサルです。引き続いて、イベントのリハーサルが控えているので、自分の新曲や、誰かの曲を譜面(と呼べるのか?)に起こして、身体に入れます。そんな一日。「身体に入れる」と云う作業は読んで字の如し。身体に強引に入れます。そうすれば、何が起きても対応できます。今日は特別に「ヒロシ式譜面」をお見せします。「こんなんでいいんか?」と云うツッコミはなしで。僕は音楽教育を全く受けていないので、これでいいのです。いや、これじゃなきゃダメなのです。五線譜におたまじゃくしを描かれると、頭痛いのです。音楽原始人を目指しています。

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by 山口 洋  

ヤイリ魂

2010/09/05, 15:18 | 固定リンク

9月5日 日曜日 晴れ 

 山から戻って、雑務に追われていたら、玄関のチャイムが鳴って、急遽ヤイリ病院に入院していた僕のメインのアコースティック・ギターが帰ってきました。このギターと共に旅を続けて8年。もはや目をつぶっても弾くことができる僕の大切な相棒です。度重なる酷使とハードな移動にもメゲず、いつも最高の音を出してくれます。特筆すべきなのは、トラブルに対する驚くほどの対処の速さ。先日、三重のライヴでトラブったプリアンプが新しいものに交換され、ほぼ完璧な調整の末、僕の手元に、職人の手紙と共に戻ってきました。何だか、じーんとするのです。その職人魂に。僕らはそのスピリットに恥じることのない演奏を続けることで、彼らの心に応えたいと思います。
 僕が生きている限り、グレッチとこのヤイリだけは手放しません。死んだら棺桶に入れてください。じゃないと、オレ成仏できないす。はは。

 さぁ、今週からリハーサルが始まります。今年、最初で最後のバンドのツアーです。みなさんに会えるのを愉しみにしています。

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by 山口 洋  

爆走1200キロ

2010/09/04, 10:56 | 固定リンク

9月4日 土曜日 晴れ 

 爆走1200キロ。プチ原人、都会に戻る。8/24~9/4までの写真もアップしました。合わせてどうぞ。

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by 山口 洋  

都会に戻ろう

2010/09/03, 10:54 | 固定リンク

9月3日 金曜日 晴れ 

 年に何度か、僕は都会を逃げ出して山に還る。静かないい時間だった。ニュースも情報も何も必要なかった。プチ浦島太朗。最後の方は一日に一度、ネットに繋ぐのも嫌になってしまった。唯一の連絡手段でそれをアテにしてた人たち、すまん。何だか、とても嫌だったのだ。雷雨に打たれて走ったり、(本当に愉しかった)、ようやく奥義にたどり着いて、新しい筋肉痛が始まったり、射すような陽の光を浴びたり、新しい曲をいくつかモノにしたり、ツアーのアイデアを練ったり、山男としての仕事に熱中したり、伝統を守るともだちの仕事を勝手に手伝ったり、エトセトラ。
 自然はとにかく何でも受け入れてくれた。そして見返りを期待することなく、たくさんのものを与えてくれた。さぁ、帰るか。僕がかつて、ともだちと作ったグレーブヤードに火をともした頃、夕暮れの空に見事な入道雲が浮かんでいた。何だか映画みたいだったよ。雑音のない日々の中で、僕は自分の可能性について考えてみた。無限大だ。走ることだって、音楽だって、まだまだ行ける。

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by 山口 洋  

奥義

2010/09/02, 10:52 | 固定リンク

9月2日 木曜日 晴れ 

 丹田に重心を置き、肩甲骨を引く、すると骨盤が回転して、足が前に出る。書けばこれだけ。でも、ようやくそれが身体で分かりかけてきた。一年かかった。一歩に換算すれば、伸びたストライドはわずか数センチにすぎない。でも、今までと同じ労力で、キロあたりのラップタイムは20秒以上速い。こりゃ、凄い。で、着地は必然的に踵からになる。すると、宙に浮いた状態から着地した反発力を、次の運動に利用しているのが分かる。今まではその力を靴が吸収していたのだ。だから、必然的にレース用の底が薄いシューズになる。こいつは薄い代わりに底が固い。おそらくこれでスピードを更に上げていくと、踵からの着地が不可能になる。イメージとしては「跳んでいる時間」の方が長い。その状態が有酸素運動と無酸素運動のギリギリのところに位置していて、そのラップがキロあたり4分15秒であれば、僕のもくろみは完璧になるはずだ。
 ようやく奥義に達したところはいいのだが。いや、まずは諦めなかった自分を褒めてやろう。お前は本当にしつこい。ただし今の問題は「ゆっくり走れない」ことにある。このフォームだとゆっくり走るのが限りなく難しい。肩甲骨を引くと、足が出て、ストライドが伸びてしまい、ゆっくり走れないのだ。下りだと4分を切りそうになる。誰かオレを止めてくれ。僕の心肺はそこまで鍛えられていない。10キロ走っただけで、心臓が口から出そうになる。つーか、死ぬ。おまけに、今までとはかなり違う部分の筋肉を使っていて、筋肉痛もヒドい。毎日、筋繊維が切れてる感じがする。体幹が出来上がっていないので、一歩間違えたら、身体がバラバラに分解しそうだ。思いあまって、師匠に電話した。「俺が見つけたこと間違ってないよね?」。「間違ってないです」。「でもさ、速くて死にそうなんだけど」。「うーん、そうなんですよ、ゆっくり走るのは難しいんですよ。僕も一年前からそれに取り組んでます」。し、師匠。もう少し、タメになるアドヴァイスをください。

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by 山口 洋  

still life with your GTR vol.2

2010/09/01, 10:50 | 固定リンク

9月1日 水曜日 晴れ 
 
 自分の作業に煮詰まったので、ともだちの仕事を手伝いに行った。もちろん頼まれた訳じゃなくて、僕が押しかけた。違う職種から学ぶことは多い。すべての道は同じ場所に通じる。お礼にと云っては何だけれど、その家で朽ちかけていたいくつかのギターを磨いて、調整した。男の香りがプンプンするヤマハのギターは主が中学生のときのものだと。あまりの汚さに雑巾で拭いて、ポリッシュで磨いて、弦を換えて、2010年に恥ずかしくない楽器にした。「i love you ,OK?」。ちょうど僕のメインギターを修理に出すところだったので、山に道連れにした。あまりにも弾かれていないので、しばらく僕が預かる。もう一本のガットギターはケースを開けた途端に少女の香りがした。「do you love me?」、ほんとだよ。聞けば、家のおかんが中学生時代に使っていたものなのだと。こいつも磨いてピカピカにした。現在、中学生の娘は高校に入ったら、このギターを弾くのだと。中学生から中学生へ。時空を超えて。こりゃ、とてもいい話だ。still life with your guitar。

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by 山口 洋  
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