神戸にて

2007/09/30, 10:10 | 固定リンク

9月30日 日曜日 雨 

 疲れた身体を引きずって会場に入ると、マンチェスターから送り込まれた日系スナイパーみたいな風貌の男がピンクの靴を履いて座っていた。奴は歌い始めると、ひどく人相の悪いハナレグミみたいで、喋ると軟体動物で、あり得ないカーディガンをまとっていた。誰だ、こいつは。奴こそ、オープニングをつとめてくれた沢田ナオヤ君だった。世界は広いなぁ、へんな奴、一杯いるなぁ。
 会場は日曜日だからか、最初湿りがちだったが、いい感じでビールの入った客席からの突っ込みに助けられ(さすがに関西は笑いのレベルが高い)、気がつくと3時間くらい経過していた。いや、酒が美味かった。関西は喰いもののレベルも高い。さすがだ。
 楽しんでくれたかい?手伝ってくれた人々、心からありがとう。沢田ナオヤがどんな風貌なのか、世界に伝えたくて、写真を沢山撮影したが、突然カメラが壊れた。くそっ。どうやら、奴の眼力にスナイプされたらしい。
 神戸。いつもありがとう。俺は明石大橋を通って、四国に渡ります。

by 山口 洋  

punks not dead

2007/09/29, 23:59 | 固定リンク

9月29日 土曜日 雨 

 つくづく、ある種のパンクは俺の性格形成にとんでもない影響を与えたのだ、と。っつても、それは殆どジョー・ストラマーただ一人なのだけれど。
 夕方までとあるレコーディングに参加して、いくつかの所用を嵐のように済ませて、神戸に向かって走る。しかし、遠い。到着したのは午前3時。明日からはツアーに復帰。今回は久しぶりに四国にも行きます。会えるのを楽しみにしとります。おやすみ。

by 山口 洋  

inputとoutput

2007/09/28, 20:51 | 固定リンク

9月28日 金曜日 晴れ 

 朝からFUCKな事象が連発するも、もはや、ままよと自分をなだめる自分が居る。生きてて、なんぼ、すよ。亡母の誕生日を静かに祝いつつ、再開するツアーの準備をする。モノを創る輩にとって大切なのはinputとoutputのバランスだ。

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by 山口 洋  

R.I.P

2007/09/27, 21:07 | 固定リンク

9月27日 木曜日 曇り 

 昨夜、俺は東京でライヴをやったってのに、自宅まで帰る力がもう残っていなかった。吉祥寺のホテルのチェックアウトをギリギリまで伸ばして寝た。そして、キーラから新しいアルバムが届いた。まだ聞いてないけど、奴らの事だから、きっとサイコーに違いない。俺も1曲ギターを弾いた。動かすのは金じゃない。モノ創りへの「執念」のようなものだ。こんな友人たちからの便りに俺は励まされる。ありがとう、猛獣たち。レコード会社に「所属」していないと、誰の作品にいつどうやって参加しようが、俺の自由だ。ああ、気分がいい。音楽家たちはもっと自由に生きるべきだ。俺たちが面白がってやったことから文化が生まれるのだ。何故奴らに活動まで制限されなければいけないのか、どうしても俺は理解できない。くだらん。

 そして、友人の訃報が届く。生きてる者はみんな死ぬ。一度だけ、必ず死ぬ。そんな事は分かってる。でも、あんたが死ぬのは早過ぎる。早過ぎるんだよ。俺はあんたみたいに「チャーミング」って言葉が似合う人を知らないんだよ。その風貌も演奏も性格も、キュートでチャーミングなんだよ。日本でこの楽器が一番似合ってるんだよ。くそっ。何てこった。でも、生まれてきてくれて、ありがとう。俺は自分の人生に全力を尽くすよ。俺があの世に行ったら、また一緒に演奏しような。ありがとう、アゲイン。友よ、安らかに眠れ。

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by 山口 洋  

続・吉祥寺にて

2007/09/26, 21:04 | 固定リンク

9月26日 水曜日 晴れ 

 連日、ライヴのリハーサルと本番の間に打ち合わせを入れなければ、時間がどうにもならない状態に至って、イカれてるとは思った。自分でも。この4日間で3本のライヴをやってる訳だし。でも、身の回りにはモノ作りに邁進する輩どもがわんさか居るのだ。俺には状況を嘆いてる暇なんてないし、奴らと、とことんやりたいことをやりたいのだ。そして、足を運んでくれるオーディエンスを幸福にしたい。今までも、これからも、心の兄貴ジョー・ストラマーが放った言葉が静かに燃え続けている。「変えられない世界はない」そして「お前の火を絶やすな」。
 トリオのライヴ、楽しんでくれたかい?魚が居ないのが残念だったけど、客席、みんないい顔してたぜ。スターパインズ・カフェ、最高だろ?スタッフも想いも音響も。ああいう連中が文化を創るんだ。ありがとう、そしておめでとう。10周年の最終日は渋さ知らズオーケストラが出演だってさ。サイコーだぜ。

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by 山口 洋  

吉祥寺にて

2007/09/25, 23:45 | 固定リンク

9月25日 火曜日 晴れ 

 連休は明けて。風が随分ひんやりしてきたね。中秋の名月。甘いものは嫌いだけど、ベランダで団子とか喰ってみたい。渡辺圭一42歳になる。俺はスターパインズカフェの10周年を祝うライブにソロで出演。このお店、本当にスタッフが音楽を愛してるんだよ。だから好き。おめでとう、ありがとう。1部と2部の間、客席に伴慶充とザ・ブームの栃木さんが居るっちゅー情報が楽屋にもたらされた。むむ、ドラマー二人か、こりゃ飛んで火に入るリズム隊じゃ、とスタッフに打楽器を探すよう命じたのだが、あったのはタンバリンとシェイカーのみ。がくっ。それじゃ、まるでカラオケ屋じゃねーか。残念。僕のライヴを見に来るミュージシャンは楽器を持ってくるように。せっかくの奇蹟を起こせるチャンスなんだからさ。
 それにしても、長距離を移動しすぎて、衣装は忘れる、言葉はもつれる。話は長い。申し訳ない。でも、楽しんでくれたかい?いつもより客席も随分大人しく感じたけど、それはそれでいいと思うんだ、俺は。明日は池畑、渡辺、山口での出演です。今日とはまったく違うものになると思います。多分、椅子はありません。ステージも高くします。スターパインズカフェがこれからもっと素晴らしいハコになって、沢山の音楽の奇蹟が生まれるように、気軽に遊びにきて下さい。

by 山口 洋  

made in Aso完成

2007/09/24, 19:34 | 固定リンク

9月24日 月曜日 晴れ 

 うぐぅ。飲みすぎた。ホテルのフロントに下りて来た学ばない男どもの顔に「飲み過ぎ」と書いてあったのを俺は見逃さなかった。男ども6人は正しい定食屋(寅さんに出てきそうな店だよ)で腹を満たして、飛行機の搭乗まで、弘前城で寝転んで、それぞれの空を見上げた。頭ぐわんぐわん、でも風は心地よく、嬉しいような寂しいような、不思議な感覚だった。

 東京に戻り、沢山の楽器を抱え、混雑する空港を歩いた。いつの日からこの国の人たちに「思いやり」が欠けてきたのだろう?まぁ、俺たちの見てくれも充分に柄が悪いとは思うのだが、誰ひとり、エレベーターのボタンを押してくれたり、待ってくれたりする輩は居ない。我、先に。我、先に。

 これまた信じ難いほど渋滞した道を抜けて、魚先生にお願いしていたマスタリングのブツを受け取る。これにて、made in Aso、音源は完成。先生のマエストロっぷりは異次元に達しつつあって、ダイナミクスを殺さない(それは俺の音楽の命だがら)、ふくよかで優しい音に仕上がっていた。嬉しかった。
 これを機にマスタリングについて簡単に触れておきます。それってどんな作業?って人が多いと思うから。CDに記録できる音圧は有限なのです。ラジオで流れた際、他のアルバムと「音圧」で負けないために、現在は弁当箱にご飯粒がスシ詰めになっているように、音が詰め込まれるマスタリングが主流です。それはコンプレッサーと云う機械で圧縮されています。ぱっと聞いたら、元気よく、明るく聞こえる。でも、俺たちゃ、それが大嫌いなのです。何故なら「余白」が全くなく、ダイナミクスがない、ただ「うるさい」だけの音になるからです。現在のテレビが音を消しても、字幕で内容が分かるように、音楽でさえ、「想像」するだけの隙間を音楽家自らがなくしつつあるのです。それゆえ、このアルバムは他のものを比べると、音量が少し小さく聞こえるかもしれません。でも、自分好みの音量を1曲目で決めてみて下さい。そうすれば、アルバムの最後まで適度な「隙間」と共に音楽が流れていき、リスナーが風景を「想像」するための隙間が生まれてくるはずです。

 さて、朝目覚めると、自分が何処に居るのか不明になってきた俺ですが、明日、明後日は吉祥寺のスターパインズ・カフェで初日はソロ、二日目はトリオでの出演です。働いている人たちが音楽への愛に溢れてるんで、仕事帰りに一杯飲みつつ、気軽に遊びにきて下さい。働く者に愛を、アゲイン。

by 山口 洋  

林檎がたわわに実るとき2007、青森県弘前市にて

2007/09/23, 19:13 | 固定リンク

9月23日 日曜日 

 これを書いているのは24日。環八の激しい渋滞のさなか、時間がもったいないので、ダイアリー執筆。

 弘前に行くのは今年3度目。そしてトリオとは云え、17年振りにバンドでの参上と相なった。空港を一歩出た時点でもう空気が違う。都会に住む俺が忘れていた、「秋」のひんやりとしたそれ。街までの道中、林檎たちがたわわに実ってる。ラブリーなんだ、この光景が。まるで車内まで匂ってきそうなくらい。確かにこの街の女性は林檎みたいにきれいな肌をした人が多いんだけど、それってやっぱり林檎が影響してるんだろうか?

 ここに至るまでの経緯はもう記さない。小さだけれど美しい街があって、日々の中で音楽を必要としてくれる人が居る。だから、行く。10周年を迎えたハコのオーナーも、スタッフも、呼んでくれた人々も、共演したクリープスも、本当にまっとうに「人間」である人たちなのだ。弘前は長い旅の中で見つけた「Land of music」。確かに客席はシャイだったかもしれないけれど、それでいいじゃないか。愉しんでいてくれたのなら。5年以内に4人のヒートウェイヴでって、あんた、次までまた17年かかてったら、俺、還暦だっつーの。沢山の人が新しくCDを手にしてくれた。それを光景を観て、今回の首謀者の一人、学ばない男、ヒロシ(52)が一言。「ほらみろ、まだヒートウェイヴ知らないやつがこんなに居るんだぞ、だったら、可能性は無限だし、続けようぜ、もっと」。あはは。あんたって人は。ほんとにもう。君は池畑潤二の飛沫を観たかい?渡辺圭一がチューニング間違えていちばんおいしいとこで、ずっこけたの
観たかい?クリープスが弘前でしか書けない歌を紡いでんの、聞いたかい?マグネットがありがちなFUCKなハコじゃないの、何となく分かってくれたかい?レコ−ド会社に居る奴だって、東京から自分の金で飛んできて、物販を自主的に手伝ってくれてたりする。愛すべき東北のハコたちが、勝手に繋がってゆく、弘前の某ミュージシャンはアイルランド,ドニゴールに飛んで、いろんな経験をした。それでいいじゃねーか。ありがとう。また会おうね。ひさしぶりに美味い酒飲み過ぎたよ。ブラボー、弘前。多謝&再見。

by 山口 洋  

弘前前夜

2007/09/22, 23:54 | 固定リンク

9月22日 土曜日 晴れ 

 明日の弘前のライヴに向けて、一日限りのリハーサル。何だかねぇ、ゆっくりと静かに燃えてます。青森県弘前市に俺一人ならともかく、トリオとは云え、バンドを呼ぶってことが、いったいどのような事なのか、俺は身を持って知っとるとです。それがある種の人々にとって、17年かけた悲願であるのなら、やるときゃやりますとも。
 (17年ってのは前にも書いたから、短く伝えるけど、デビューした年に青森でライヴをやったら(バンドだよ)客が3人だった。そのうちの一人がずっと種を撒き続けた。そんな話っす。)

 いろいろとご心配かけとるようですが、俺は至って元気す。首痛いとか、膝痛いとか、そりゃあるけど、それは減価償却、違うや、経時変化、違うな、まぁ、そんなに若くはないってだけのことで。音楽業界のFUCKな事象には現在一切関与していないので、やりたいことをやってるだけ。そんなものに付随する苦労は苦労とは呼ばんのです。歓びはありこそすれ。

 じゃ、待っとります。

by 山口 洋  

右脳と左脳と前頭葉と後頭葉

2007/09/20, 23:07 | 固定リンク

9月20日 木曜日 晴れ 

 頭の回転は決して遅くはない、とは思う。オリンピック級に速くもないが、嘆くほどに遅くもない。その程度の脳味噌だと理解している。けれど、俺は同時に複数の事が処理できない。本当に出来ない。ひとつの事を嵐のように解決して、次の事に立ち向かう脳味噌しか持ち合わせていない。おまけに集中力はかなりあるが、持続力がない。一番苦手なのは、フィーリングカップル5対5(例えが古くてすまん)みたいに、大勢の人間が対角線上に複数の話題で話し始めること。もうダメだ。頭が割れそうになる。無理だ。ギルの笛の音を聞かされたキカイダー(更に例えが古くてごめん)と同じ心境に陥って、耐えられなくなる。それから打ち合わせ中、その相手にかかってくる電話。集中力が途絶えて、何を話していたのか不明になる。
 かように、音楽で使う脳味噌と、詩作で使う脳味噌、更には事務的な用事で使う脳味噌は確実に違うところに存在している(と感じる)。どこが右で左で前で後ろなのかは不明だが、違う場所だってことだけは分かる。だから、今日のような「打ち合わせデー」を無理矢理にこしらえる。音楽に集中したいから。人に会う用事を6本もブチ込んで、とりあえず頑張る。写真撮影もする。金の話もする。マスタリングの事も話す。午前4時。ようやく眠れそうなんだけど、眠れないんだな、これが。脳味噌の何処か(場所は不明)がランランと冴えていて。嗚呼。

by 山口 洋  

move on up

2007/09/19, 16:42 | 固定リンク

9月19日 水曜日 曇り 

 「ヒロシ君、男には闘わなきゃいけない時、立たなきゃいけない時ってもんがあるんよ」。俺の伯父の至言。苦しい時に限って、その至極当たり前の言葉が頭の中に浮かんでくる。何が大切で、何がどうでもいいことなのか、この数年かの間、よーく身に染みて理解した。俺の本分は、良質の新しい曲を書くことだ。それを日々の暮らしの中で、沢山の人々に聞いてもらうことだ。それに集中するために、男には闘わなきゃいけない場面があるだけのことだ。避けて通ると後で痛い目に遭うのだ。
 ツアーが小休止しても、会わなきゃいけない人物、話をつけなきゃいけない人物、雑務多数。だから、粛々と笑いを忘れず、それをやる。身の回りのクリエイター達は現状に屈することなく、モノ創りに邁進している。俺はそのあるべき態度にひどく励まされ、自分の現場であるライヴの会場で、オーディエンスの表情を観て、エネルギーをもらう。大事なのは笑いを忘れず、続けることだ。ただ、それだけだ。

 俺の初めてのソロ・アルバム、「made in Aso」の音が今日完成した。ひどくシンプルだけど、その分だけ魂は込めた。マスタリングは魚が、デザインは渡辺圭一が。つまりother side of HW的作品でもある。光のように早く(通常、完成からユーザーの手に渡るまで、どんなに早くても2ヶ月はかかる)みなさんの手元に届くように、作業を進めます。よろしく。

 そういえば、もうすぐ弘前に行くぜ。残念ながら、トリオだけれど、それでも弘前で種を撒き続けてくれた連中が居て、17年かかって、やっとトリオで行くんだぜ。それで燃えなきゃ、意気に感じなきゃ、失格だよ、ミュージシャンとして。楽器車もバスも走らないから、手持ちの楽器だけだけど、熱くしてくるぜー、弘前。

 でもって、東京で久しぶりの俺のソロ、翌日はトリオっす。待ってるよー。move on up!

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by 山口 洋  

猛々しく空を飛ぶ羽根

2007/09/17, 22:44 | 固定リンク

9月17日 月曜日 晴れ 

 酷暑の東京です。
 最近、ライヴに足を運んでくれた人は気付いてくれたかもしれないけれど、俺の首には今、羽根が2つ下がっています。ひとつは前回、沢山の人に手にしてもらった「eagle talk」。これは
http://www.five-d.co.jp/heatwave/blog/index.php?id=07030009
を参照して下さい。いろんな場所で、これを身につけてくれている人を見かけます。ありがとう。
 そして、もうひとつは新作の「猛々しく空を飛ぶための羽根」です。前述のジュエリーデザイナー、中野さんが最初からあたためてくれていたアイデアです。写真で分かってくれるといいけど、直線的な強いデザインで、裏には「espoir」のプレートが入っています。このところ、ずっと付けていますが、うっしゃーライヴやるぞーっちゅー気分にさせてくれます。もちろん日本の職人さんによる一個一個手作りです。中野さん、こだわりのシルバーが使われています。いつもながら、ブラボーです。
 「eagle talk」は限定生産だったので、残念ながら、もうなくなってしまいました。今回の「猛々しく空を飛ぶための羽根」は本日、彼と話し合ったのですが、ゆっくりと時間をかけて、ずーっと伝えていこうと思っています。廃盤なし! 今後、僕が廻る地方にも、持っていくつもりでいます。前回と同じく、彼のお店でも買えるようになると思います。ただ、代官山と云う場所ゆえ、少し高くなってしまうのですが。このように、志の高いモノ作りの人々と関われること、心から嬉しく思っています。願わくば、今月末のスターパインズ・カフェから販売出来る(かも)しれません。そこには多分、中野さんもいらっしゃると思うので、是非、彼に直接会って、話をしてみて下さい。魂入ってます。お店のサイトはこちらです。
http://k-a-g.com/

 ところで、僕のeagle talkはライヴの汗で真っ黒になっていました。それを中野さんに相談したところ、オランダ製のシルバークリーンキット(彼のお店で買えます)でピカピカにしてくれました。純度が高く、メッキを施していない銀は少し汚れやすいけれど、汗などで黒ずんでも、問題なく元に戻るんだそうです。っつーか、またピカピカになって、ひときわ愛着が増しました。汚れの成分は殆どが皮脂なんだそうです。普段の手入れは石けん水で洗ってやるだけでいいんだと。俺のみたいに真っ黒に(何だか不潔な男みたいでやだな)なったものは前述の方法しかないみたいです。別に商品の宣伝してる訳じゃないんだけど、劇薬で汚れを落としてる訳じゃなくて、素手で触っても、問題のない液体ってとこがすごい。もしeagle talkが汚れて悩んでる人が居れば、是非。すっごいすよ、これ。
 中野さんのところに、温泉にどっぷり浸かってしまって変色したeagle talkが里帰りしたんだそうですが、ピカピカになって持ち主に帰って行ったと。ええ話や。でも温泉には気をつけて。

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by 山口 洋  

千里の道も一歩から、静岡市にて。

2007/09/16, 23:32 | 固定リンク

9月16日 日曜日 

 まずは、写真を撮り忘れた。ごめん。
 実のところ、疲労がピークに達していた。近江八幡から自力で移動したにも関わらず、道中4時間、あまり記憶なし。ほんのわずかなリハーサルをやって、ホテルに戻って、自爆。
 しかし、音楽には魔力、そう魔力があるのだった。まずはオープニングで演奏してくれた丸山研二郎君。素晴らしいミュージシャンだ。弱冠25歳にして、あのギターと間の取り方はありえん。既に自分のオリジナリティ−を確立しつつある。俺は彼と、100本ライヴをこなしたら、一緒にレコーディングをする約束をした。彼の演奏を狭い楽屋で聞いているうちに、身体にエネルギーがみなぎってきた。次にPAマン。おおよそ音楽と関係なさそうな風貌の彼だが、その「音楽を愛するが故の」腕は大したものだった。彼はこのハコのPAや照明に関するもろもろを「自作」していた。大いに彼に救われた。そして客席。何よりも音楽を楽しもうとする空気に満ちていた。このハコ「UHU」はオープンから今日でちょうど一年になる。そのめでたい日に俺は呼ばれたと云う訳だ。オーナー、店長を始め、スタッフに至るまで、何とか、ここを「land of music」にしようという気概に満ちていた。その気持ちが俺を元気にさせてくれた。UHU。まだよちよち歩きだし、これからも逆風が吹く日があるだろう。それでも、このような音楽への情熱に満ちたハコは全国にそうあるものではない。だから、頑張って欲しい。そこから本物の文化が生まれていくのだから。俺もミュージシャンに伝えておくよ。
 終演後、スタッフと演奏した。いやはや、音楽って素晴らしいと、今更ながらに思った。ありがとう。静岡の皆さん、どうかこの新しいハコを大事にして下さい。そして、俺は遠くない未来に必ず戻ってきます。ありがとう、静岡。多謝&再見。

by 山口 洋  

290年の重み、滋賀県近江八幡市にて。

2007/09/15, 23:33 | 固定リンク

9月15日 土曜日 晴れ 

 ういー。ぐびー。美味い日本酒を飲みすぎると、脳髄がいい感じで痺れるとです。ういーっ。ひっく。

 昨夜、旧知のSちゃんと今日の会場、酒遊館の若大将Nさん、学ばない大人、約3名。痛飲したとです。結果、Sちゃんは6万円入りの財布をなくし、俺は小銭入れを紛失。まったくもう。

 酒遊館のオーナー、西勝酒造。代表的銘柄、清酒、湖東富貴(ことぶき)。その歴史たるや290年。前述N氏で11代目すから。何だかなぁ、それって大変だと思うけど、かなり羨ましかったりもする。

 近江八幡、今日は祭りの日でもありました。だから、屋外に出て、演奏したりもしました。楽しんでくれたかな?俺、これ以上まともな文章書けないす。何であれ、西勝酒造、300年の祝いには、何があっても駆けつけます。清酒、湖東富貴(ことぶき)、冷やして飲むと、更に絶品。近江の名物、赤こんにゃく(食べたことある?)、信じ難いほど、美味く。うーーーーーーーーーん。必ず帰ってくるにゃん。ごめん。日本酒飲み過ぎーーー。ありがとう。近江八幡。俺、大好きだよ。ってこの文章、中学生以下。ごめん。

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by 山口 洋  

至福の移動日

2007/09/14, 23:40 | 固定リンク

9月14日 金曜日 晴れ 

 古都奈良の時間の流れにもすっかり慣れた。焦らず、たゆまず。午前中に公約通り、昨日の会場、蔵武Dに併設されている「暖暖(のんのん)」に茶粥を頂きに参上した。俺はグルメでも何でもなくて、油っこいものが苦手で、大トロにも霜降りの牛肉にもフランス料理にもあまり胸躍らない。心のこもったシンプルなもの、例えば、白いご飯と味噌汁と卵焼きと納豆があれば、一生それだけでもいいっちゅーつまらん男である。
 そんな意味で、ここ「暖暖(のんのん)」の茶粥は100満点なのであった。生まれて初めて食したのだけれど、餅米を前もって蒸し、それをほうじ茶で炊く。付け出しに高菜とか蓮根とかインゲンとか。シンプルがゆえ、食べるほどに味わいの余白から何かを感じ取る。絶品。第一、お腹に優しい。次に急いで喰う気にはなれない。食べ終わった頃には急激に幸福の睡魔が襲ってくる。独りで切り盛りしてるおかんのホスピタリティーも満点。築180年の建物も、中庭も程よく手入れされ、程よく放置されていて、まるでとっくに失われた祖父母の家でくつろいでいるが如し。あまりの幸福に縁側で昼寝しているところが下の図。奈良に行ったなら、時間の余裕をもって、「暖暖(のんのん)」に行かれたし。

 俺は近江八幡に移動しました。酒遊館、13年振りです。西勝酒造の若旦那が切り盛りしているので、日本酒飲み放題すよ。奈良とは違った意味で古い家並が残っている素晴らしい街です。是非。
 

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by 山口 洋  

住職は通風、心温まる街、奈良にて。

2007/09/13, 23:18 | 固定リンク

9月14日 木曜日 曇り 

 若い頃、リュックをしょって世界のあちこちに出かけ、その風景の中で、「旅に沈没」してる輩を沢山見かけた。それは自分の中では恐怖と共にある。あの頃の旅と今のそれとはかなり違うんだけれど、無味乾燥なホテル暮らしをどうにかしないと、突然沈没しそうになったりもする。そんな時に必要なものは人の温もりだ。ちょっと一緒に晩飯を喰えるだけでもいい。些細だけれど、そんな事だ。俺にとって大事なことは。

 昨日、奈良の街を歩き回っていたら、ビーサンの鼻緒が切れた。この夏、何処へ行く時も一緒だった860円のビーサン。嗚呼、夏が終わったと、哀しくなった。でもこのツアーが素晴らしいのは、移動中、しじゅうビーサンで居られることで、夏の終わりを訳もなく認めたくなかったから、無印良品で1250円のビーサンを買った。

 今日の会場「蔵武D」は古い古い町屋の中にあった。随分前歌わせてもらった「ひびきの郷」からさして遠くない場所だった。道がまるで、教習所のクランクみたいなとこなのだ。築180年、新しい梁と昔からの梁が混在してる蔵だった建物。控え室は同じ長屋の中にある「託児所」で、久しぶりに俺は「おっぱいの匂い」を嗅いだ。多分、43年振り。忘却の彼方にあったけれど、多分、この場所に野郎共が同席していたなら、これって絶対に「おっぱいの匂い」だよな、と男の子チックに語り合ったことだろう。会場をぐるりと眺め回して。そこにはPAらしきものはなかった。ただ、かの有名なボーズ博士が開発した、そう、俺の寝室にもある小さなスピーカーが2個あるだけだった。まじすか?と最初は思った。けれど、ギターを「ポロロン」と鳴らしてみて、これで全く問題がないことに気付いた。暮らしの中に音楽がある。増してや、周囲にはずっとずっと昔から、奈良に住んでいる人々が居る。だから、これでいいのだ。この音量で。

 ライヴはね。かつて体験したことがないものだった。俺のギターの音よりも、厨房の揚げ物のはねる音の方がデカかったりする。ぐひひ。そりゃ戸惑ったけど、いいじゃん。それで。お腹がすいてる人が居るんだし。最前列に運ばれたイカリングがどれだけ美味そうに見えたことか。だから、最後の曲を歌い終わったら、そのイカリングちょうだい、っちゅー約束をして、頂きましたとも。そのイカリング。外では鈴虫が鳴き誇り、俺はただ音楽を奏でていた。気がつくと、厨房には坊主頭の方がいらした。後で聞いたなら、彼は近所の住職さんだった。奈良ならでは。そして彼は通風だった。久しぶりに俺は沢山の人と美味い食卓を囲んだ。いや、囲ませてもらった。いいなぁ、奈良。住んでると、大変なこともあるんだろうけど。住職が教えてくれた。野生動物がこれだけ街を闊歩してんのは、インドと奈良だけですよって。そりゃ、街に居る鹿はスポイルされてるけど、山の中には一切のコミュニケートを拒むすんごいのが居ますよって。俺は無性にそいつに会いたくなった。

 みんな足を運んでくれてありがとう。奈良に来たら、蔵武Dで飲んでみて下さい。適度にいい加減。適度にまっすぐ。そして昼は暖暖(のんのん)と云う茶粥屋さんが併設されています。もちろん喰いますとも、明日朝イチで。本当は泥になるまで飲んでたかったけど、今日はホテルに帰ります。だって、そっちの方が余韻が残っていいじゃないすか。ありがとう、心から。奈良。また戻ってきてヨカですか。

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by 山口 洋  

阿修羅の如く、奈良にて

2007/09/12, 17:46 | 固定リンク

9月12日 水曜日 晴れ 

 齢を重ねて、初めて見えてくる風景がある。実のところ、奈良には何度も来たことがある。大学時代には長期滞在をして、仏像を訪ね歩いたこともある。けれど、この年齢になって、そぞろ歩くこの街は今までのどれとも違っていた。軽く胸の奥がきゅーんと締め付けられるような感覚だ。それもこれも、独りで旅をすることの意味だと思う。ま、稀に寂しくはなるんだけれど。
 奇しくも「美しい日本」をスローガンにかかげた首相が辞任した日。ある街の郊外を走りながら、原風景について考えていた。この国の地方都市の郊外の風景はひどい。いずこも同じだ。我、目立たんがためのケバケバしい看板の数々。ふと脇に目をやると、未だ美しい田園風景が残っているのに、調和もクソもあったもんじゃない。俺が幼少の頃過ごした家は霊山に続く石段の中途にあった。虚無僧が尺八を吹きながら階段を登ってくる。そんな場所だった。今となっては感謝している。それは例えて云うなら、寅さん的な原風景で、今の俺には財産となっているからだ。今を生きる子供たちにとっての原風景があの街道沿いの看板群だとしたら、生きとし生けるものに憐れみの心を持つことは難しいだろう。それがとても腹立たしくて、哀しい。
 昼食を取るために入った喫茶店の新聞で、さだまさし氏の文章を読んだ。うろ覚えで恐縮だが、彼は「美しい国だと云う前に市井に暮らす人々の心の中にそれがあるかどうかが問題だ」と云うような内容だった。同感だ。
 阿修羅のごとく。像は何を見つめているのだろう?それがとても気になる。その目には何が映っているのだろう?それが知りたい。

 明日はそんな街でライヴです。平日だから、大変だとは思うけど、近隣の人々もちょっとだけ散策がてら、足を運んでみませんか?今までとは違った知らない風景に出会えるかもしれないよ。

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by 山口 洋  

和歌山にて

2007/09/11, 02:48 | 固定リンク

9月11日 火曜日 雨 

 日本全国、何処に行っても友人が居るってのが当たり前だと思っていた。しかし。昨夜、ふと我に返ってみると、和歌山には友人が居ないのだった。こうなると無性に寂しい。街を歩き回ったが、これだっちゅー飲み屋を探し当てることができず、まるでクリスマス・イヴに過ごした某国のような気分で、某レストランで一人晩飯を喰った。空しかった。
 さて。911だ。昨日、ほぼ和歌山人と魂の交流が出来なかった俺は、小屋の人とゆっくり話して、その気質を探ろうとした。うーん、聞く限り、シャイネスとタフネスを持ち合わせているような。ステージに上がって得た印象もほぼ、そのようなものだった。だから、無理矢理の力技は避けた。何だか、距離が離れてしまう気がしたからだ。楽しんでくれたかい?5年間、トラブルなく俺を支えてくれたヤイリギターがすこぶる調子悪かった。突然、虫のような巨大なノイズが乗るのだ。明日はじっくり調整してみることにしよう。何にせよ、雨の中、足を運んでくれて、ありがとう。和歌山の奥深さは一日や二日で理解できるものではない。だから、今度はもう少しじっくり滞在してみたい。また、戻ってきてもヨカですか?
 客席に旧知の友人を発見した。なので、そのまた友人たちと愉しい夜を過ごした。うーん。和歌山。俺の知らないメンタリティー。でも、俺の血にも少しだけ混じっているはずのメンタリティー。この国は本当に奥深いよ。ありがとう、和歌山。っちゅーか「和歌山」って名前がそもそも素敵だよね。でも、俺は地元の連中にどうやって奈良に行くのか、聞こうと思っていたが、完全に忘れてた。あはは。ま、いっか。明日は明日の風が吹くだろう。

追伸
今日も最前列に誰かの娘さんであろう、お子ちゃまを発見した。彼女のリアクション、実に気になるのである。だって、無垢だからね。お子ちゃま、遠慮なく連れてきて下さい。何処までがお子ちゃまで、何処からが大人なのか、未だに俺には不明だけれど。

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by 山口 洋  

紀州への旅

2007/09/10, 19:49 | 固定リンク

9月10日 月曜日 晴れ 

 豊橋から和歌山に移動。中途、岸和田あたりから急に緑が増えてくるのが嬉しい。実のところ、和歌山は母親の故郷でもある。いつの日か演奏しに来たいと思っていた。デビューして17年もかかったけれど。じゃ、散策してきます。

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by 山口 洋  

観光マサイと戦闘マサイ、17年振りの愛知県豊橋市にて。

2007/09/09, 02:41 | 固定リンク

9月9日 日曜日 晴れ 

 うちのチビ(スタッフ)を乗せて、事務所の倉庫に寄って、楽器をピックアップして愛知県豊橋市へ。このチビ助とはだいぶジェネレーションが離れているからして、毎回深く話す度に頭がメルカトル法の地図よろしく割れそうになるのだが、今日も案ずる間もなく、まっ二つに割れた。ままよ、ままよ。
 豊橋には17年くらい前に来たことがある。その時の思い出は語りたくない。ただ、モーレツにこの街に来て欲しいとのたもう輩が居たのだった。だから、来た。記憶が正しければ、奴は漬け物屋の若大将だ。半月振りのライヴだった。でも会場もオーディエンスも申し分なかった。楽しんでくれたかい?瞬間に全て燃え尽くすライヴってもんは素晴らしい。やり直しがきかないから、素晴らしい。ありがとう。来て良かったよ。
 終演後、昨日この街で歌ったらしい、有山じゅんじさんの残り香を嗅いだ。曰く、彼はマサイ族について熱く語ったのだ、と。マサイ族には「戦闘マサイ」と「観光マサイ」が居るのだと。その話があまりに面白かったので、もし彼に何処かで会うことがあれば、その続きを聞いてみようと思う。
 何にせよ、ありがとう。深夜のホテルでこの街を眺めながら、思い浮かんだ言葉はそれだけだった。

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by 山口 洋  

モノ作りの責任

2007/09/08, 22:37 | 固定リンク

9月8日 土曜日 晴れ 

 だいたい、俺のような性格の人物が携帯電話を保有しているのが悪い。そりゃ、ごもっとも。それを前提の上で、この話を聞いてもらいたい。
 一年くらい経過した携帯の電池の状況が甚だ悪化してきた。短い通話を2回ほどした後にカラータイマーが点滅するに至って、電話としての役目をほぼ果たさなくなってきた。明日からまた俺は旅に出る。イージーライダーがこの時代に作られなら、冒頭のシーンでまず携帯を捨てるに違いないのだが。だろ?デニス・ホッパー。とにかく、俺は新機能なんかにまったく興味がない。話せりゃそれでいい。渋谷に行けばあるだろうと思い、人ごみの中を歩いた。店には多数の新機種とひしめく人間たち。しかし、電池の在庫はなかった。渋谷の他の店舗をあたってもらったが、一個もなかった。何とかしてくれよ、キャメロン・ディアス。まるで、これを機に機種を換えたらどうです?と云わんばかりに。嫌だね、断る、キャメロン。あんたの口元がいくらセクシーでも。俺はこれでいい。新しいものは古くしかならない。けれど、作って一年くらいのものなら、「モノ作りの責任」ってものがあるだろって、俺は思うけどね。ぷんぷん。

 な、訳で、明日からツアーっす。会えるのを愉しみにしとります。

by 山口 洋  

連絡もろもろ

2007/09/07, 20:26 | 固定リンク

9月7日 金曜日 晴れ 

 海の近くに戻ってきました。ひとこと、暑いです。
 山の中で何をやっていたかと問われるなら。前からやってみたかったことに集中しとったとです。ミュージシャンは極楽とんぼとは云え、いざアルバムを作るとなると、スタッフも交えて、タイミングだの、何だの、ケンケンガクガクに話し合うとです。それはそれでいいとして、と。単純に僕の日常にある音楽をシンプルな形でやってみたかったとです。何ひとつ深く考えることなく。最初は僕のハートランドで。次は何故かハワイで。最後にアイルランドを旅しながら、友人のミュージシャンたちと。
 朝陽が昇って、「さて、今日はこれだな」っちゅー感じでギターを弾きつつポロポロ歌う。後先考えず。そうやって、随分沢山のものを録りためました。雷は落ちるわ、蝉は鳴くわ、雨は降るわ、遊びに来てくれた友人たちは歩き回るわ、エトセトラ。そんな音もフツーに記録されてます。あ、でもしつこい作品にするつもりはないです。って云うか、リリースするレーベルも、タイミングも何も決めてません。やりたいと思った時にやりたかったとです。もう少し形が見えてきたらアナウンスします。これもまたヒートウェイヴのひとつの形だと思って下さい。
 僕がそんな事をやってる間に、「land of music」のリキッドルームでのライヴ映像と、「land of music」の制作ドキュメントを俺以外の人間が創ってくれてます。ちょっとだけ観たのですが、どえりゃー面白そうです。単なるライヴ映像でもないし、ドキュメントでもないとです。これもまた、もう少し形が見えてきたら、アナウンスします。

 さて。俺はツアーに復帰します。えっと、何処だっけ?次のブロックは豊橋(多分17年振り)、和歌山(祝!初上陸)、奈良(ひっさしぶり)、滋賀(10年振りくらいかな?)、静岡っす。えーっと、それからトリオで弘前に行きます。燃えてきます。で、スターパインズカフェの2days。まったく違うものになると思います。年内かけて、日本津々浦々廻ります。でもって、12月はーーーーーっ。それはもう少し待っといて下さい。

 何にせよ、近くの街に来たら、観に来んですか?ちょっと遠出すれば叶うなら、小さな旅ばせんですか?何処かで会えるのを、俺も楽しみにしとります。

by 山口 洋  

邂逅

2007/09/03, 18:25 | 固定リンク

9月3日 月曜日 晴れ 

 山に居るうちにすっかり日焼けして、ノーウェアマンになりました。ただ、音楽に邁進するだけではなく、同世代のモノ作りの職人たちにも会っています。林業だったり、建築士だったり、陶工だったり。職種は違っても、すべての道は同じところに繋がっているとです。「ぐっと会って、ぱっと別れ」、また互いの道を行く。何であれ、プロフェッショナルな人たちが仕事に向かっている姿ほど麗しいものはないとです。たとえ飲んだら、タダのダメ男だったとしても。目先の利益ではなく、次の世代に繋げていくものとして、今何をすべきか考える。そんな当たり前のことをバカ話と共に話す時間は愉しいとです。

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by 山口 洋  

プライオリティー

2007/09/01, 16:56 | 固定リンク

9月1日 土曜日 曇り 

 山の家で録りためたものをミックスしています。近所の人々にあまりにお世話になっているので(昨日なんぞ、腹減ったなーと思ったその瞬間に、おにぎりとおかずを携えたお姉さんが入り口に立っていたりするのです)、恩返しに「草刈り」なんぞもしています。

 とかく何をやるにも先立つものは金。確かにそれも真理。優秀なるスタッフは「バジェットの管理」が出来てなんぼの世界。もちろんそれも分かる。俺たちが何か事を起こそうにも、ハリウッドみたいに金を湯水の如く使える訳がなく。でもね、でもねだよ。「独立 - インディペンダント」であることの意味は、ちまちま金の計算ばかりしていることではない。「金」より先に「想い」や「ヴィジョン」の方が圧倒的に大事なんだよ。まず、途方もない「想い」があって、それを実現するためにはどうするかを考える。「金」がないから止めておこう。ではない。そのプロセスを楽しむことだと、俺は思う。そんな意味で、モノを創っている人々は「想い」にのっかってある種の「夢」を繋いでいってくれる。それが嬉しいし、俺はそんな人間とつき合っていたいのだ。

by 山口 洋  
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