日別アーカイブ: 2012年9月23日

天晴、くるり。京都音博にて。

9月22日 土曜日 曇り くるりが主宰する京都音博。文章にすると安っぽくなりそうだけど、ほんとうに、素晴らしかった。 若いミュージシャンたちが、本気で音楽と街と未来のことを考え、自分たちが育った街の公園で祭を催す。溢れる情熱と愛。これだけの大きなイベントでありながら、カネの匂いがまるでしなかった。関わった多くの人たちが、ひとつの理念に向けて自分の役割を黙々と果たしていく。見ていて、それが清々しかった。 古都のド真ん中で行われているため、圧倒するような大音量を出さない。その音の隙間に観客は自分の想いを投影することができる。目当てのミュージシャンを観に来ただけではなく、このイベント全体で何を伝えようとしているのか、オーディエンスは受け取ろうとする。自分の出番が終わっても、ミュージシャンはステージの袖から次の演者を観ている。最後に出演者全員で演奏したとき、客席には素晴らしい表情が無数に存在していた。忘れられん。たくさん「ひかり」が見えた。 オレの出番は18分、時間を守らなければ、隣の水族館のイルカショーとかぶってしまう。普段、サイズも何もかもがテキトーで、ギターを延々10分くらい弾いてたりもするからして、オレには18分と云う時間の観念がまるでない。ステージに上がる前にスタッフに頼んでおいた。「2曲終わった時点で、残り時間を教えてくれ」。オレは巻き目に演奏したつもりだったが、残り時間3分。よって、1番を歌って、即サビに行って強制終了する「満月の夕」となった。スマン。 最後にステージに上がったくるりが新曲「SOMA」を演奏した。音に滴がついていた。そして、「オマエはミュージシャンに戻れ! !」と云う強烈なメッセージを受け取った。オレはこの一年半で自分の仕事が何なのか、分からなくなっていた。職業オレ、みたいな。もちろんミュージシャンである前にニンゲンであることは確かなのだけれど、オレの一番の仕事は新しい音楽を生み出すことだったのだ。役人や政治家や企業のトップに会う前に、オマエにはやることがあるやろ。彼らの姿勢や音楽の滴が、そんな当たり前のことにオレを引き戻してくれた。 才気溢れる若いミュージシャンたちに会えたのも嬉しかった。彼らには溢れる情熱と才能がある。目が覚めたぜ、ほんとうに。後藤正文君にやっと「The Future Times」がどれだけエネルギーをくれたかっちゅー礼も云えたしね。 何にせよ、ありがとう。くるり。  

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